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インドネシア政府、米IT大手メタに虚偽情報問題で「厳重警告」

問題視されたのは政府が通報した違法コンテンツへの対応率の低さである。
米IT大手メタ・プラットフォームズのロゴ(Getty Images)

インドネシア政府は5日、米IT大手メタ(Meta Platforms)に対し、同社のSNS上で偽情報やオンライン賭博などの違法コンテンツの拡散が十分に抑えられていないとして、「厳重警告」を出した。政府は同社に対し、コンテンツ監視体制の強化と違法情報の迅速な削除を求めている。

警告を出したのは通信・デジタル省である。ムティア・ハフィド(Meutya Hafid)デジタル相は4日、首都ジャカルタにあるメタの運営拠点を予告なしに訪問し、同社の規制順守の状況について直接説明を求めた。政府によると、メタは国内規制への対応が不十分で、同社のプラットフォーム上では偽情報のほか、オンライン賭博、誹謗中傷、ヘイトスピーチなどの有害コンテンツが拡散しているという。

問題視されたのは政府が通報した違法コンテンツへの対応率の低さである。通信省によると、当局が報告したオンライン賭博や偽情報に関連する投稿のうち、メタが実際に対処した割合は28.47%にとどまった。政府はこの水準を「極めて不十分」とし、国内規制の順守が不完全であると批判した。

ハフィド氏は記者団に対し、「偽情報や中傷、ヘイトコンテンツは人々の命を脅かす可能性がある。それにもかかわらず、メタのプラットフォーム上ではこうした情報が依然として残っている」と述べ、同社の責任を強く指摘した。政府はメタに対し、AIや人員を含むコンテンツ管理体制を強化し、違法または有害な投稿の削除をより迅速に行うよう求めている。

メタは世界最大級のSNS企業で、フェイスブック、インスタグラム、ワッツアップなど複数のサービスを運営している。これらのサービスはインドネシアでも広く利用され、数億人規模の利用者を抱えている。一方で、SNSの普及に伴い、偽情報や詐欺、オンライン賭博の広告などが拡散しやすい環境が世界中で問題視されてきた。

インドネシア政府は近年、SNS企業への規制を強化している。通信省は2025年にもメタを含む複数のSNS企業を呼び出し、偽情報対策や有害コンテンツの管理体制を強化するよう求めていた。今回の警告は、そうした指導にもかかわらず改善が十分に進んでいないとの判断を示すものとみられる。

また政府はSNSの安全性を高めるため、子どもの保護や年齢制限の導入などを含む新たな規制の導入も進めている。SNS事業者に対しては、国内法に従ったコンテンツ管理と迅速な対応が求められており、違反が続く場合にはさらなる措置が取られる可能性もある。

今回の警告について、メタは公式コメントを出していない。東南アジア最大の人口を抱えるインドネシアで政府の監督が強化される中、巨大IT企業と各国政府の規制をめぐる緊張関係は今後も続くとみられる。

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