◎インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。
2024年8月16日/インド、首都ニューデリー、病院の女性研修医が殺害された事件に抗議するデモ(AP通信)

インドの主要都市で国立病院の女性研修医が性的暴行を受け殺害された事件に抗議するデモが続いている。

首都ニューデリーの国会近くでは16日、医療関係者を含む数千人が事件に抗議し、シュプレヒコールを上げた。

事件の舞台となった西部ベンガル州コルカタにある大学病院では14日夜、デモ隊がキャンパス内で暴れ、車を破壊し、病棟を荒らしまわった。地元メディアによると、この暴動に関与したとして、少なくとも14人が逮捕されたという。

31歳の女性研修医は9日、この大学キャンパス内で亡くなっている状態で発見された。警察はその後、ボランティアで大学の警備を行っていたとされる男が女性をレイプし、殺害したとして逮捕した。

ニューデリーのデモ隊は同大学と警察に説明を求める署名活動も行った。

報道によると、ベンガル州コルカタ、ムンバイ、ハイデラバードなどの主要都市でも同様のデモが行われたという。

これらのデモはおおむね平和的に行われたと伝えられている。

捜査当局は女性研修医が血まみれの状態で発見されたと報告。その後の検視でレイプされていたことが確認された。

被害者の遺族は地元テレビ局の取材に対し、「これは集団レイプ殺人であり、さらに多くの人間が関与している」と語った。

事件の調査を約束した州政府は処理を誤ったとして非難されている。州警察はその後、裁判所の命令に従って連邦捜査局に事件を引き継いだ。

それ以来、怒りは全国に拡大し、女性に対する暴力を糾弾するデモに発展。全国の医療機関の女性医師や看護師もこれに参加し、多くの病院が外来の受付を停止する事態となっている。

医師らは女性への暴力を非難し、政府に対し、より安全な労働環境を義務付ける法律などを導入するよう求めている。

インドは「レイプ大国」と呼ばれるほどレイプ事件が後を絶たず、2020年にカースト制の最下層「ダリット」の女性が集団レイプされ死亡した事件は全国規模の抗議デモに発展した。

国家犯罪記録局(NCRB)によると、2022年に全国で確認されたレイプ事件は3万1516件、21年から20%増加したという。これは認知された件数であり、実際はもっと多いと推定されている。

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