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▽インド軍は6日未明、パキスタンの統治下にあるカシミールに向けてミサイルを発射した。
2025年5月7日/パキススタ、係争地カシミール地方のインド境界近く、インド空軍の戦闘機の残骸(AP通信)

パキスタン政府は7日、インド軍によるカシミール地方への先制ミサイル攻撃を受け、自衛のために、自らが選んだ時間、場所、方法で報復すると表明した。

インド軍は6日未明、パキスタンの統治下にあるカシミールに向けてミサイルを発射した。

インド国防省は攻撃を認め、カシミールのテロリストインフラ9カ所を標的にしたと明らかにした。

パキスタン軍によると、ミサイルはカシミールと東部パンジャブ州に着弾し、女性や子供を含む少なくとも31人が死亡、大勢が負傷したという。

パキスタンはこの攻撃を戦争行為と呼び、インド空軍の戦闘機を撃墜したとしている。

インドのジャンムー・カシミール州で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、紛争に発展する可能性も出ている。

この事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で4月22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。その多くがインド人であった。

インド政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。

インド政府はこの事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザ(査証)を剥奪した。

パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インドとの水共有条約を停止するなどの対抗措置を発表した。

またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。インド側も同様の措置を取っている。

インド政府はこの事件にパキスタン政府が関与したと主張しているが、その証拠は示していない。

パキスタン政府は関与を否定し、国連と国際社会に中立的な調査を求めている。

パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は7日、インドの先制攻撃で死亡した市民の仇を討つと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

ミサイル攻撃後も激しい銃撃戦が続き、各国の当局者が死者を確認している。

シャリフ氏はミサイル発射後、防空部隊がカシミール上空を飛行していたインド空軍の戦闘機5機を撃墜したと明らかにいた。

インド政府はコメントを出していない。現地メディアによると、少なくとも3機の戦闘機がインド統治下のカシミールに墜落したという。

パキスタンの国家安全保障委員会は7日、インド軍のミサイル攻撃を非難し、「パキスタンは自衛のために、自らが選んだ時間、場所、方法で報復する権利を留保している」と述べた。

インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。

カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれてきた。

カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。

インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。

ジャンムー・カシミール州はインドで唯一、イスラム教徒が多数派の州であり、ヒンズー政策を推進する政府と何度も対立してきた。

インドは21年、射程5000キロの核搭載可能大陸間弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功。これは長距離地対地弾道ミサイルである。

インドは1947年にイギリスから独立して以来、パキスタンと3度の戦争を戦ってきた。これらのミサイルはパキスタンの全国土を射程に収めている。

パキスタンも核保有国であり、中長距離ミサイルの開発を進めている。

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