インド、SNS企業に違法コンテンツの「3時間以内」の削除命じる
この措置は、これまで認められていた36時間の対応猶予を大幅に短縮するもので、対象企業にはメタ(Facebook、Instagramなど)、グーグル(YouTube)、X(旧ツイッター)などの大手プラットフォームが含まれる。
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インド政府は11日、ソーシャルメディア企業に対して違法とされたコンテンツを「通知から3時間以内に削除することを義務付ける」新しい規則を導入すると発表した。 この措置は、これまで認められていた36時間の対応猶予を大幅に短縮するもので、対象企業にはメタ(Facebook、Instagramなど)、グーグル(YouTube)、X(旧ツイッター)などの大手プラットフォームが含まれる。
政府はこの変更を、2021年制定の情報技術規則(Information Technology Rules, 2021)の改正として発表し、2026年2月20日から施行する。新ルールは従来の削除期限を36時間から3時間へと大幅に短縮するとともに、AI生成コンテンツやディープフェイクなども違法コンテンツの対象に含める。
新規則ではAIで生成された音声、画像、映像などの「合成情報」を公式に定義し、こうしたコンテンツを投稿・共有できるプラットフォームに対して、明確かつ目立つラベル表示を義務付ける。ラベルや埋め込みメタデータは利用者や企業が削除・抑制することは許されず、可能な限り恒久的な識別子を付すことが求められる。プラットフォームは技術的手段を用いて違法なAIコンテンツの検出と阻止を試みなければならず、違反した場合には通信許可を喪失する可能性がある。
この新ルールは政府がオンライン上の有害情報や偽情報、暴力的または偏見を助長するコンテンツ、児童性的虐待素材などの流布を阻止する狙いの一環だとしている。一方で、デジタル権利擁護団体や専門家は、この3時間という対応期限が実務的に困難であるだけでなく、実質的な検証や法的評価を行う余裕がなく、過剰な検閲を招く可能性があると批判している。
弁護士や技術法務の専門家は、「実際に3時間以内でコンテンツの合法性を判断し対応するのは事実上不可能であり、審査のないまま削除させられるリスクが高い」と述べる。これは専門的な法的判断が必要なケースや著作権、フェアユースといった微妙な線引きのある問題に対して特に当てはまるとの指摘だ。
インドは世界最大級のインターネット利用国の一つであり、そのオンラインユーザー数は10億人に迫るとされている。この巨大市場は米国や欧州などの主要テック企業にとって重要な収益源であるが、政府の規制強化はこれら企業と当局との関係を複雑化させている。
この政策転換はインド政府がデジタル空間での偽情報や社会的混乱の拡大を食い止める試みと位置付けられているものの、同時に言論の自由や表現の自由とのバランスについて国内外で議論を呼ぶことになりそうだ。
