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パキスタン・アフガニスタン国境で銃撃戦、数十人死亡、国境閉鎖

パキスタン軍は9日、アフガン領内に拠点を置くパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点とされる施設を空爆。タリバンはこれを主権の侵害と糾弾した。
2021年8月21日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所(Muhammad Sajjad/AP通信)

パキスタンとアフガニスタンの国境で発生した衝突について、アフガンのタリバン暫定政権は12日、パキスタン兵58人を殺害したと主張した。

戦闘は11日夜に発生したとされる。

パキスタン軍は自軍の兵士23人が死亡したと発表。タリバン側は自軍9人の死亡を認めた。

パキスタン軍は9日、アフガン領内に拠点を置くパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点とされる施設を空爆。タリバンはこれを主権の侵害と糾弾した。

パキスタン軍は空爆を公式に認めていない。タリバン当局によると、首都カブールと東部地域に爆弾が投下されたという。

アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。

パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。

パキスタン政府はタリバンがTTPを支援していると非難しているが、タリバンはこれを否定している。

双方は証拠を示さず、相手側で多くの死傷者が出たと主張。パキスタンはタリバンおよび同盟組織の戦闘員200人以上を殺害したと発表した。タリバンはパキスタン兵58人を殺害し、国境検問所を制圧したと主張している。

現地の状況はほとんど明らかになっておらず、何が起きたかも不明。パキスタン当局によると、戦闘は12日の夜明け前にほぼ終了したという。

パキスタン当局はトルカム国境検問所を含むアフガン国境の全検問所を封鎖したと報告している。

タリバン暫定政権は12日、カタールとサウジアラビアの要請により、パキスタン側への攻撃を停止したと発表。同2カ国は衝突について懸念を表明していた。

タリバンの外相は今週インドを訪問し、関係強化で合意した。この訪問はパキスタンでさらなる懸念を引き起こした。

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