◎ミャンマー軍はロヒンギャに対する虐殺、集団レイプ、焼き討ちなどで告発されている。
2022年5月25日/バングラデシュ、首都ダッカ、国連難民高等弁務官事務所のグランディ高等弁務官(Mahmud Hossain Opu/AP通信)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は25日、ミャンマーから逃れバングラデシュの難民キャンプで暮らす100万人以上のロヒンギャ難民を忘れないよう国際社会に呼びかけた。

グランディ氏はバングラデシュを訪問し、難民、政府高官、外交官、援助団体などと面会した。

UNHCRを含む人権機関や団体はすべての難民にウクライナ難民と同じような支援を提供するよう呼びかけている。

グランディ氏は記者団に対し、「ウクライナとアフガニスタンの危機に注目が集まっているため、ミャンマーの窮状を忘れないよう世界に改めて発信する必要があると考え、訪問を決めた」と語った。

UNHCRによると、ロヒンギャ難民に対する支援は今年の目標額である8億8100万ドルのうち約13%しか集まっていないという。

グランディ氏はロヒンギャ難民にスポットライトを当てる必要があると述べた。「ロヒンギャ難民と彼らを受け入れてきたバングラデシュの国民にスポットライトを当て、支援の重要性を再認識する必要があります...」

またグランディ氏は、ロヒンギャ問題を解決できるかどうかはミャンマー次第であると強調した。

ミャンマー軍は2017年、反政府武装勢力の掃討作戦を本格的に開始し、その結果、70万人以上のロヒンギャと他のイスラム系少数民族がバングラデシュに逃亡した。

ミャンマー軍はロヒンギャに対する虐殺、集団レイプ、焼き討ちなどで告発されている。

ロヒンギャはミャンマー市民として認められていないため、無国籍状態となり、差別や暴力に直面している。

バングラデシュ政府は少なくとも2度、難民をミャンマーに送り返そうとしたが、難民は戻れば殺されるとして送還を拒否している。

バングラデシュのハシナ(Sheikh Hasina Wajed)首相はミャンマー政府に難民の引き取りを求めているが、強制送還しないと表明している。

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