ネパール首都で「マハ・シバラトリ」、大麻の煙が空気を満たす
この祭りではシバ神への崇拝の一環として大麻(カンナビス)の煙が立ち込め、多くの聖職者や若い信徒らが公然と大麻を吸う光景が見られた。
.jpg)
ネパールの首都カトマンズで15日、ヒンズー教のシバ神の生誕を祝う「マハ・シバラトリ(Maha Shivaratri)」が行われ、大勢の参拝者が聖地であるパシュパティナート寺院に集まった。この祭りではシバ神への崇拝の一環として大麻(カンナビス)の煙が立ち込め、多くの聖職者や若い信徒らが公然と大麻を吸う光景が見られた。この祭りはネパール国内最大級の年中行事の一つで、国内外から数万人が訪れた。
マハ・シバラトリは破壊と再生を司る神、シバへの信仰が中心となる祭で、信徒は断食や祈り、聖歌といった宗教儀式を通じて祝福を求める。伝統的にシバは大麻との結びつきが深く、宗教画などにも喫煙する姿が描かれることがあるため、祭礼の期間中は大麻の使用が事実上黙認される慣習がある。
パシュパティナート寺院周辺では身体に灰を塗った修行者や多くの若者たちが次々と大麻の煙を吸い込みながら祈りや踊りを行っていた。中央政府は通常、大麻の所持や使用を禁止しているが、この祭礼では例外的に取り締まりが緩和され、信仰行為としての喫煙が許容されている。
ネパールの刑法は大麻の使用・所持を禁じ、発覚した場合は使用者は最長1カ月、密売者は最大10年の懲役刑に処される可能性がある。しかし、マハ・シバラトリに限っては警察も祭典の宗教的側面を重視し、積極的な取り締まりを行っていない。
ネパールはかつて1960年代にヒッピー文化の影響を受け、大麻や他の薬物が観光客向けに合法的に売買されていた歴史がある。多くの店や茶屋が大麻を宣伝・販売していたが、1976年に政府がこれを禁止した。それ以来、大麻は違法薬物として扱われている。
近年、ネパール国内では大麻の栽培や使用を合法化しようとする動きもあり、キャンペーン運動家や一部の議員が法改正を求めてきた。しかし、社会的な議論は活発化しているものの、具体的な法改正には至っておらず、合法化への進展は停滞している。マハ・シバラトリの期間中だけ大麻使用が黙認されることは、宗教的慣習と現行法の狭間で続く独特の文化的現象と言える。
祭りに参加した信徒の中には、「マハ・シバラトリの夜に大麻を吸うことは古来からの伝統、神への奉仕である」と語る者もいた一方で、健康面や違法性を懸念する声もある。宗教的慣習としての一時的黙認が一般社会に与える影響や、法的枠組みとの整合性についてはさらなる議論が必要だ。
