◎サミットの議長国、ブルネイのハサナル・ボルキア首相は、「ASEANは対立する政党の対話を促し、正直で公平な協議を要求する」と述べた。
4月24日、東南アジア諸国連合(ASEAN)の指導者たちは、2月の軍事クーデターで政権を奪取したミャンマー軍に、民間人に対する暴力をやめるよう要請した。
ミャンマーを除くASEANの加盟国は、ミャンマー軍のミン・アウン・フライン司令官をインドネシアの首都ジャカルタに招き、ミャンマーの危機について協議した。
軍事クーデター以来、治安部隊は民間人を700人以上殺害し、アウンサンスーチー氏と国民民主連盟(NLD)の高官を含む数千人を拘留した。
サミット終了後、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は声明で、「ASEANの特使は、ミャンマー軍と地元当局との対話を速やかに仲介する用意ができている」と述べた。「ミン・アウン・フライン司令官に暴力を停止したうえで、対立当局との対話を開始するよう要請しました。ASEANはミャンマーの市民の命と利益を優先します...」
「ミャンマーの現状を容認することはできず、ASEANは暴力に断固反対します。暴力を停止し、ミャンマーの民主主義、安定、平和を直ちに取り戻さなければなりません」
ASEANの批評家はウィドド大統領の声明について、「首脳陣のメッセージは異常に鈍く、内政に干渉することを禁止している保守的なASEANの基本原則に違反しています」と非難した。
しかし、マレーシアのムヒディン・ヤシン首相は別の声明で、「ミャンマーの国内情勢がASEANの平和、安全、安定を損なう場合は、ASEANの基本原則に固執するべきではない」と強調した。「国際社会は断固たる行動を取るよう呼びかけています」
ヤシン首相は記者団に対し、「国際社会はASEANの動きに注目している」と述べた。「国際社会はASEANの行動がミャンマー問題に大きな影響を与えると信じています。私たちは圧力の高まりに対処しなければなりません。拘留された政治家が無条件で釈放されない限り、対話は始まらないでしょう」
サミットの議長国、ブルネイのハサナル・ボルキア首相は、「ASEANは対立する政党の対話を促し、正直で公平な協議を要求する」と述べた。
サミット後にブルネイを通じてASEANが発表した正式な声明は、6人の国家元首と3人の外相による要求を概説したものになった。
ASEANは「暴力の即時の停止」を要求し、すべての当事者に最大限の抑制を促したが、インドネシアのウィドド首相などが要求したアウンサンスーチー氏らの釈放要求は省略された。
ミン・アウン・フライン司令官がASEANの鈍いメッセージに反応したかどうかは明らかにされていない。アウンサンスーチー氏とNLDのウィン・ミン大統領を含む文民政府の高官は、2月1日の軍事クーデターで逮捕された。
批評家は、軍事クーデターの首謀者を会談に招いたASEANの決定は到底受け入れられず、サミットは文民政府の崩壊と大量虐殺を正当化したと非難した。
一方、匿名を条件にAP通信の取材に応じたASEANの外交官は、「ASEANはミン・アウン・フライン司令官と協議することに合意したが、ミャンマーの国家元首と認めたわけではない」と述べた。
国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルはサミットに先立ち、ミャンマー国内で発生した一連の致命的な取り締まりにおけるミン・アウン・フライン司令官の関与を調査するようASEANに促した。「拷問に反対する国連条約の締約国であるインドネシアは、自国の領土内に暴力の首謀者とされる軍のリーダーを招き入れました。インドネシアの治安当局は、容疑者を起訴または引き渡す法的義務を負っています...」
現地メディアによると、インドネシア警察は首都ジャカルタのサミット会場近くに集まった数十人の抗議者を解散させたという。警察は現地周辺に警察官を4,300人以上配備し、サミットに備えた。
タイのプラユット・チャンオチャ首相とフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領などは、自国のコロナウイルスの感染状況が悪化していることなどを考慮し、出席を取りやめた。ラオスのトーンルン・シースリット党書記長も土壇場で出席をキャンセルしている。