▽事件は州都クエッタ郊外の山岳地帯のトンネル近くで11日に発生。地元当局は6人が死亡、少なくとも450人が人質に取られたと報告していた。
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パキスタン南西部バルチスタン州で発生した列車襲撃について、陸軍は12日、人質救出作戦を終了し、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」の戦闘員33人を殺害したと明らかにした。
それによると、この作戦で乗客21人と兵士4人が死亡したという。
事件は州都クエッタ郊外の山岳地帯のトンネル近くで11日に発生。地元当局は6人が死亡、少なくとも450人が人質に取られたと報告していた。
BLAはテレグラムへの投稿で、182人の軍人と治安要員を人質に取ったと主張。列車に乗っていた民間人の大半を解放したと述べていた。
またBLAはこの襲撃により20人の軍関係者を殺害し、ドローンを撃墜したと主張していた。
AP通信は軍当局者の話しとして、「対テロ作戦は無事終了し、テロリストを一網打尽にした」と伝えている。
BLAは声明の中で、「軍が攻撃を仕掛けてくれば、人質を皆殺しにする」と警告していた。
APによると、BLAは線路の一部を爆破し、列車を強制的に停止させたという。軍と警察は現場周辺への立ち入りを禁じている。
地元テレビ局は鉄道関係者の話しとして、「テロリストの線路爆破と銃撃で運転士が負傷した」と伝えている。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は声明でBLAを非難。「テロリストの要求には一切応じず、交渉もしない」と言明していた。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
パキスタンのシンクタンク「パキスタン平和研究所(Pakistan Institute for Peace Studies)」は昨年末に公表したレポートで、BLAが同国の安全保障を脅かす大きな脅威になっていると指摘していた。
それによると、BLAは同国最大の武装勢力TTP(パキスタンのタリバン運動)に匹敵する規模に成長し、大きな脅威になっているという。