◎最高裁判所のジモラエス判事は8日、Xの活動再開を許可。1カ月以上続いたX禁止令に終止符を打った。
米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEO(左)とブラジル最高裁のジモラエス判事(Getty Images)

南米ブラジルのX(旧ツイッター)ユーザーが歓喜の雄たけびを上げ、オンライン上で華麗なサンバを披露している。

米電気自動車大手テスラのマスク(Elon Musk)氏が所有するXが9日、ブラジルに帰ってきた。

ユーザーたちは「おかえりX」「俺たちのX」「イーロンX」などと投稿しながら腰を振った。

最高裁判所のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事は8日、Xの活動再開を許可。1カ月以上続いたX禁止令に終止符を打った。

マスク氏と最高裁の小競り合いは春先に本格化し、Xユーザーに大打撃を与えた。

Xは8月30日、ブラジル規制当局にブロックされた。この結果、マスク氏は南米最大の市場を失った。ブラジルのユーザー数は2100万人と推定されている。

ジモラエス氏は言論の自由、極右アカウント、偽情報をめぐってマスク氏と数カ月にわたって言い争った後、Xを平手打ちした。

マスク氏はジモラエス氏を「権威主義者」「検閲者」呼ばわりするなど、何度も中傷。しかし、最高裁はジモラエス氏のX禁止令を全会一致で支持した。

マスク氏は度重なる暴言にもかかわらず、最終的にはジモラエス氏の要求にすべて従った。

700万人以上のフォロワーを持つ@luscasは「ツイッターは生きている」と書き込んだ。「マスクがブラジルの法律に従い、最終的に適応することを決めたことをうれしく思います」

マスク氏は偽情報を拡散している特定のアカウントの削除。罰金2860万レアル(約7億8000万円)の支払い。国内に法定代理人を指名することなど、ジモラエス氏の要求を全て受け入れた。

アナリストたちは今回の騒動について、「法の上に立つ者はいない、という重要なメッセージを世界に向けて発信した」と評価している。「地球上で最も裕福なマスクも無敵ではなく、法の上には立てないということです...」

Xは複数の国で訴訟を抱えている。その多くが運営者が偽情報を放置したり、詐欺のツールになっていることを非難している。

スポンサーリンク