チリで山火事猛威、15人死亡、数万人避難、延焼続く
異常な高温と強風により火勢が激しく、森林や住宅地を次々と焼き尽くした。
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チリ中部と南部で18日、山火事が猛威を振るい、少なくとも15人が死亡、数万人が避難を余儀なくされている。異常な高温と強風により火勢が激しく、森林や住宅地を次々と焼き尽くした。中央政府は被害の拡大を受け、被害が深刻なビオビオ州とニュブレ州に対し「非常事態」を宣言した。この措置により軍の動員や資源の集中投入が可能になるとしている。
火災は18日未明から急速に拡大し、強風が炎を助長した。ボリッチ(Gabriel Boric)大統領の報道官はSNSに声明を投稿。これまでに8500ヘクタール以上の山林・土地が焼失し、数十の山火事が発生していると明らかにした。また、避難命令により5万人近い住民が安全な地域へ退避したという。
炎は深夜から広がり、多くの住民が睡眠中に火災に直面した。AP通信の取材に応じたビオビオ州の男性は「火はまったく制御できず、誰も予想していなかった」と語り、煙が空を覆う中で避難したと明らかにした。家族と共に暗闇の中を逃げたという男性は「子どもたちを抱えて走った。車や学校、教会まで火に包まれた」と振り返った。焦げた遺体が住宅や道路、車のそばで発見されるなど、避難の混乱と火勢の激しさが被害をさらに深刻化させた。
この山火事はチリが南半球の夏を迎える中で発生した。気象条件は極めて厳しく、気温は一部地域で38度を超え、消防隊による消火活動は強風と高温に阻まれている。地元当局は現場で消火活動を続けているが、火勢を抑えることは容易ではないという。
ボリッチはX(旧ツイッター)への投稿で、「現場に必要な資源を投入する」と述べ、山火事の制圧に向け国家的対応を強調した。軍や警察の投入も進められ、救助・復旧活動に当たっている。だが一部自治体の首長は中央政府の対応の遅れを批判しており、現場では依然として消防や救助体制の逼迫が続いている。
ビオビオ州コンセプシオンでは少なくとも250棟の住宅が焼失し、広範囲でインフラ被害も発生した。多くの住民が避難所での生活を余儀なくされている。火災による死傷者数や被災状況は今後さらに増加する可能性があり、政府関係者は引き続き警戒を呼びかけている。
気象台は高温の継続を警告し、追加の山火事発生のリスクについても注意を促している。この異常気象と山火事の連鎖は、気候変動がもたらす災害リスクの高まりを改めて浮き彫りにしている。政府と消防当局は被害の全容把握と避難者支援、消火作業の加速に全力を挙げている。
