◎一部の地元メディアは「ボルソナロ大統領は眠りについた」と報じている。
2022年10月30日/ブラジル、リオデジャネイロ、悲しみを表明するボルソナロ大統領の支持者たち(Bruna Prado/AP通信)

ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領を応援してきた支持者たちは31日も悲しみと怒りを表明した。

地元メディアによると、高等選挙裁判所が大統領選決選投票の結果を公表してからまもなく24時間が経過するにもかかわらず、ボルソナロ氏は沈黙を守っているという。

左派の労働者党(PT)を率いるダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領は30日の決選投票でボルソナロ氏を破り、勝利を宣言した。

一部の地元メディアは「大統領は眠りについた」と報じている。

一部のアナリストは「大統領陣営は行動を起こす準備をしている」と懸念を表明した。

ダシルバ氏は投票率50.9%で激戦を制した。

<2022ブラジル大統領選決選投票 開票率100%>
▽ダシルバ 60,345,999票(50.9%)
▽ボルソナロ 58,206,354票(49.1%)
▽無効票 3,930,695票
▽白票 1,769,668票

ボルソナロ氏は過去に電子投票システムに疑問を投げかけ、「神だけが自分を解任できる」と主張したことがあり、トランプ(Donald Trump)前米大統領のように敗北を認めないのではないかという懸念が高まっている。

高等選挙裁判所は30日の現地時間20時前にダシルバ氏の勝利を発表した。

ダシルバ氏は勝利演説で、右派と左派の対立が深まり、国が分断されたことに触れた。「この国には平和と団結が必要です。この国は平和と団結を必要としています。国民は争いを望んでいません...」

中国、ロシア、イギリス、インドの首脳など、世界からダシルバ氏に祝福の言葉が寄せられている。米国のバイデン(Joe Biden)大統領は選挙を「自由で公正かつ信頼できるもの」と評した。

しかし、敗れた候補者は勝者に電話をかけ、敗北を認める声明を出すのが慣例だが、ボルソナロ氏は今のところ沈黙を守っている。

地元メディアはボルソナロ氏に近い政府関係者の話を引用し、「大統領は首都ブラジリアの大統領府で眠りについた」と報じている。

現地メディアはボルソナロ氏が31日に大統領府内を移動するところを確認したが、まだ声明は出ていない。

地元メディアは「記者会見の準備は完全に整ったが、いつ行われるかは誰にも分からない」と報じている。

ボルソナロ氏を支持してきた議員や最大都市サンパウロの知事などはダシルバ氏の勝利を認めた。

アナリストは「ダシルバ氏が同盟国から祝電を受けたことで、ボルソナロ氏は異議を唱えにくくなった」と指摘している。

ダシルバ氏は来年1月1日に就任する予定だ。それまでの移行期間は非常に険悪なものになると予想されている。

一方、ボルソナロ氏に忠誠を誓う支持者たちは怒りと悲しみを表明し、発煙筒をたき、空き缶を蹴っ飛ばし、駐車車両や店舗の看板に落書きをしたりした。

報道によると、トラック運転手たちが少なくとも13の州の道路を封鎖したという。いくつかの封鎖は解除されたと伝えられているが、各地で大渋滞が発生したとのこと。

ダシルバ氏は31日、ボルソナロ氏には触れず、アルゼンチンのフェルナンデス(Alberto Fernandez)大統領と会談した。

報道によると、ダシルバ氏は31日中にバイデン氏と電話会談を行う予定。

2022年10月30日/ブラジル、リオデジャネイロ、怒りを表明するボルソナロ大統領の支持者たち(Bruna Prado/AP通信)
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