◎ニューヨーク、東京、シドニー、メキシコシティ、その他いくつもの国際都市で集会やデモ行進が行われた。
ベネズエラの首都カラカスで17日、先月末の大統領選結果に抗議するデモが行われ、数万人が独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に政界引退を勧告した。
他の中米諸国や米国に亡命した数百万人のベネズエラ人も選挙管理委員会を非難し、マドゥロ政権に圧力をかけるよう呼びかけている。
ニューヨーク、東京、シドニー、メキシコシティ、その他いくつもの国際都市で集会やデモ行進が行われた。
カラカスのデモ隊は国際社会に対し、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の勝利を認定するよう呼びかけた。
またデモ隊は治安当局による残忍な取り締まりを非難し、母国に戻ることを恐れている700万人以上のベネズエラ移民への支持を表明するよう促した。
マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、現職のマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけているという。
米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけている。
カラカスの集会には全野党の指導者であるマチャド(María Corina Machado)元議員も参加した。
マチャド氏は演説で、「有権者の意思を尊重する時が来た」と語った。
ゴンザレス氏もこれに先立ち、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「7月28日の選挙結果を隠すことはできない」と書き込んだ。ゴンザレス氏は逮捕される恐れがあるとして、会場に姿を見せなかった。
メキシコシティ中心部の広場で行われた集会には数千人のベネズエラ人が参加。「マドゥロは出ていけ」と叫んだ。
メキシコのメディアによると、ベネズエラ人以外の市民も集会に参加し、オブラドール政権にゴンザレス氏の勝利を認定するよう求めたという。
カラカスのデモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「ベネズエラを支配したい愚かな独裁者に別れを告げる時が来た」と語った。
治安当局による取り締まりで逮捕されたデモ参加者は2000人以上。少なくとも24人がこの取り締まり中に死亡したとされる。警察は逮捕者と死傷者の数を公表していない。
ベネズエラの司法当局は今月初め、全野党が軍に対し、マドゥロ氏への忠誠を再考するよう促したことを受け、ゴンザレス氏とマチャド氏に対する犯罪捜査を開始すると発表した。
捜査がどの程度進んでいるかは不明。ゴンザレス氏とマチャド氏は国家反逆罪を含む複数の罪に問われる可能性がある。
ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、推定770万人が国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。
ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は先週、マドゥロ氏に対し、大統領選をやり直すよう求めたが、マドゥロ氏と全野党はこれを拒否している。