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米DEA、ベネズエラ暫定大統領を監視対象に=AP通信

DEAはロドリゲス氏を少なくとも2018年から情報収集対象とし、2022年には「優先捜査対象」に指定していたという。
2026年1月15日/ベネズエラ、首都カラカスの国会議事堂(AP通信)

米国の麻薬取締局(DEA)が長年にわたりベネズエラのロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領を監視対象としてきたことが、AP通信の取材で明らかになった。DEAはロドリゲス氏を少なくとも2018年から情報収集対象とし、2022年には「優先捜査対象」に指定していたという。優先捜査対象はDEAが薬物取引に重大な影響を与えるとみなす人物に付けるものだが、これにより捜査リソースが注がれる一方、必ずしも起訴につながるわけではない。

APによると、DEAの文書にはロドリゲス氏に関する広範な情報が記されていた。文書はロドリゲス氏の既知の関係者や過去の疑惑を記録し、麻薬や金密輸との関与が疑われる内容も含まれている。ある情報提供者は2021年初め、カリブ海のホテルが資金洗浄のフロントとして使われているとの報告をDEAに伝えたとされる。また、米当局が2020年に資金洗浄容疑で逮捕したアレックス・サーブ(Alex Saab)氏との関係も文書に登場する。

ロドリゲス氏はこれまで米政府から公的にいかなる犯罪行為でも非難されたことはなく、現行の麻薬取締法違反で起訴されたベネズエラ高官のリストにも名前はない。しかし、ロドリゲス氏の名前はパラグアイやエクアドル、米フェニックスやニューヨークなど複数のDEA捜査で浮上し、APはそれぞれの捜査内容は特定できなかったとしている。複数の現役・元DEA捜査官はロドリゲス氏が副大統領の任期中にDEAの強い関心を集めていたと述べている。

ロドリゲス氏は米軍の作戦で拘束されたマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の長年の側近であり、同国の実権を握る中心人物の一人として知られる。彼女は外交官、外相、副大統領を歴任したあと、今月暫定大統領に就任したが、米政府内ではその背景に疑念がくすぶっていた。トランプ(Donald Trump)大統領はマドゥロ拘束後、ロドリゲス氏を「素晴らしい人物」と称賛し、複数の高官が緊密に連絡を取っていると述べた。だがDEAの内部文書は、公的評価と裏腹に長年にわたる疑惑が存在していたことを浮かび上がらせた。

DEAがロドリゲス氏を優先捜査対象に指定した理由は文書から明確には読み取れないものの、専門家はその役職の重要性が影響した可能性を指摘している。かつてフロリダ州で麻薬事件を担当した元連邦検事は、主要な政府高官が捜査当局の関心を集めることは珍しくないと述べるが、捜査対象になることと起訴につながる証拠があることは別問題だと強調している。

ロドリゲス氏はAPの報道に関するコメントを出していない。また、DEAおよび司法省もコメントを控えている。米国内外の政治・治安専門家の間では、今回の文書と報道がベネズエラ政権内の腐敗と犯罪疑惑に対する注目を高めるとの見方が出ている。

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