◎米国を含む西側諸国はグアイド氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。
2022年6月14日/ベネズエラ、首都カラカスで行われた記者会見、野党党首のグアイド氏(Ariana Cubillos/AP通信)

ベネズエラの野党党首であるグアイド(Juan Guaido)氏は14日、選挙集会中に親マドゥロ派から暴行を受けた事件について、米州人権裁判所に提訴する意向を示した。

グアイド氏は先週、農村部で開催した選挙集会中にマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領率いる与党、統一社会党(PSUV)の支持者から暴行を受けた。

グアイド氏は14日、首都カラカスで記者会見を開き、当時の状況をメディアに説明し、写真も公開した。

グアイド氏は記者団に、「独裁者の暴力を追及する」と語った。「マドゥロはもちろん、独裁者に協力する政府機関も糾弾するつもりです...」

ベネズエラの司法制度は事実上行政府の一部門となっており、マドゥロ氏に不利な判決を下すことはない。

グアイド氏が公開した写真には、同氏の周りに男たちが集まり、誰かがシャツを引き裂き、羽交い絞めにする様子が写っていた。野党の報道官によると、この混乱で少なくとも2人が負傷、1人は手首を痛め、もう1人は脳震盪を起こしたという。

グアイド氏を含む野党議員たちは2023年に予定されている補欠選挙の準備を進めている。大統領選は2024年までに行われる予定だ。

アフリカ・中東を歴訪中のマドゥロ氏は14日、カタールの首都ドーハに到着したが、この事件に関するコメントは今のところ出していない。

与党PSUVの報道官は13日の会見でこの事件に言及したが、PSUVの支持者が関与したという疑惑には触れなかった。「私たちを非難しないでください。暴力を引き寄せているのは彼らです。彼らは自分たちの暴力行為を正当化し、戦闘を発生させ、自分たちが殴られたら大騒ぎします...」

グアイド氏の選挙集会ではこの事件の1週間前にも乱闘が発生している。報道によると、マドゥロ派がグアイド氏の支持者に椅子を投げつけ、殴り合いになったという。

米国を含む西側諸国はグアイド氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。マドゥロ氏は2018年の大統領選で勝利を主張したが、欧米は野党候補に対する数多くの妨害行為などを理由に結果を拒否、ベネズエラに厳しい制裁を科した。

グアイド氏を支持する国々の当局者は、マドゥロ政権にこの事件の調査を進めるよう要求している。

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