米軍、東太平洋で麻薬密輸船を攻撃、乗員6人死亡
これまでに東太平洋やカリブ海で40回以上の攻撃が行われ、今回の攻撃により死亡者は157人に達した。
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米軍は8日、東太平洋で麻薬密輸に関与していたとみられる小型船舶を攻撃し、乗っていた6人が死亡したと発表した。これは米国に流入する違法薬物を阻止するために進められている対麻薬軍事作戦の一環である。
米南方軍(SOUTHCOM)によると、攻撃は東太平洋の麻薬密輸ルート上で行われた。標的となった船は密輸に関与していたとされ、軍は水上に浮かぶ小型ボートが爆発する映像をSNSに公開した。しかし、船が実際に麻薬を運んでいたことを示す証拠は公表されていない。
トランプ政権は2025年9月以降、中南米諸国の麻薬カルテルを「外国テロ組織」と位置付け、海上での軍事攻撃を含む強硬策を進めている。これまでに東太平洋やカリブ海で40回以上の攻撃が行われ、今回の攻撃により死亡者は157人に達した。
トランプ(Donald Trump)大統領は、米国がカルテルとの「戦争状態」にあると主張し、軍事力の使用を正当化している。薬物の流入が米国社会に深刻な被害を与えているとして、組織への直接攻撃は必要な措置だと強調してきた。
またトランプ氏は先週末、ラテンアメリカ諸国の指導者らと会談した際、各国にもカルテルや国際犯罪組織に対する軍事行動への参加を呼びかけた。米国は南米周辺海域への軍事展開を強化したうえで、エクアドルなどと共同で組織犯罪対策の作戦も実施している。
一方で、こうした攻撃を巡っては国際法上の問題や人権面での懸念も指摘されている。米軍は標的の船が麻薬密輸に関与していると説明しているが、具体的な証拠が示されないケースが多く、専門家や一部の議員からは超法規的な殺害に当たる可能性があるとの批判も出ている。
さらに、合成麻薬フェンタニルなど米国で問題となっている薬物の多くはメキシコから陸路で流入しているとされ、海上での軍事攻撃が実際に薬物流入の抑制につながるのか疑問視する声もある。
米軍による海上攻撃は現在も継続しており、麻薬対策を名目とした軍事行動の是非やその効果を巡る議論は今後も国内外で続く見通しだ
