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ペルー大統領選、ケイコ・フジモリ氏が支持率トップ、候補乱立で大混戦に

多数の候補が乱立し、有権者の多くが態度を決めていない現状から、選挙戦は依然として混戦状態にある。
ペルーのケイコ・フジモリ氏(ロイター通信)

南米ペルーで4月に予定されている大統領選を前に、右派候補2人が支持率で先行しているものの、多くの有権者がまだ投票先を決めておらず、選挙の行方は依然として不透明な状況となっている。

地元の世論調査会社ダトゥム・インテルナシオナル(Datum Internacional)が9日に公表した世論調査によると、右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏の支持率が10.7%で首位。僅差で続くのが右派のアリアガ(Rafael López Aliaga)氏で、支持率は10%だった。いずれも他の候補を上回ったものの、支持率は全体の1割程度にとどまり、候補者が乱立する今回の選挙の分散した支持構造を示している。

フジモリ氏は故アルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の娘で、過去にも複数回大統領選に出馬している。保守的な政策を掲げる政治家として知られ、右派支持層を中心に一定の支持を集めている。一方、アリアガ氏は首都リマの元市長で、宗教色の強い保守的な政策や市場重視の経済政策を掲げている。

しかし、今回の調査で最も大きな割合を占めたのは「未定」や「投票しない」と回答した有権者で、全体の38%に上った。支持率トップの候補でも1割程度にとどまる状況から、選挙戦は極めて流動的で、今後の選挙運動や政治情勢によって大きく変化する可能性がある。

また、有力候補の多さも今回の選挙の特徴である。36人もの候補が立候補し、3人の左派候補と退役軍人がそれぞれ5%前後の支持を得ている。多くの候補が競り合う構図となり、票が分散している。

ペルーでは政治の不安定さが長年の課題となっている。2018年以降、8人の大統領が交代するなど政権の入れ替わりが頻繁に起き、政治不信が強まっている。さらに、歴代大統領のうち4人が収監されるなど、汚職問題も政治への信頼を損なう要因となっている。

こうした背景から、有権者の多くは直前まで投票先を決めない傾向があると指摘されている。専門家によると、ペルーでは選挙の1週間ほど前になってから支持候補を決める有権者が多く、世論調査の結果が直ちに選挙結果に結びつくとは限らない。

今回の大統領選は4月12日に第1回投票が行われる予定で、過半数を得る候補がいない場合には6月7日に上位2人による決選投票が実施される見通しである。ペルーでは20世紀以降、初回投票で大統領が決まったケースはなく、今回も決選投票にもつれ込む可能性が極めて高い。

多数の候補が乱立し、有権者の多くが態度を決めていない現状から、選挙戦は依然として混戦状態にある。今後の討論や政策論争、政治情勢の変化が支持率に大きく影響するとみられ、次期政権を巡る競争は最後まで予断を許さない状況が続きそうだ。

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