▽トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。
南米チリの捜査当局が今週、首都サンティアゴ全域で大規模な家宅捜索を行い、その結果、ベネズエラ反体制派の殺人に関与したとして、「トレンデアラグア」のメンバーを逮捕した。司法省が23日、明らかにした。
それによると、警察と陸軍の合同部隊は22日早朝から家宅捜索を開始。トレンデアラグアに所属する23人を逮捕したという。
そのうち16人がベネズエラ政府を告発した後、チリに逃れた反体制派の元軍兵士の殺害に関与したとされる。
トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局はこの組織を解体したと発表しているが、幹部の行方は分かっていない。
トランプ米政権は今週初め、トレンデアラグアを含む麻薬カルテルを「外国テロ組織」に指定した。
チリ司法省は声明で、「今回の捜索で逮捕した23人は殺人、誘拐、恐喝など、複数の犯罪に関与している」と述べた。
捜査当局は以前、反体制派殺害について、「政治的動機によるもの」という見方を示していた。
トハ(Carolina Tohá)内相は23日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「ベネズエラ当局がトレンデアラグアに反体制派の殺害を指示した証拠がある」と書いた。
またトハ氏は「捜査はまだ継続中だが、必要であれば国際刑事裁判所(ICC)に訴状を提出する用意がある」とした。
ベネズエラ政府はチリ当局の発表に関するコメントを出していない。
米財務省はトレンデアラグアの創設者とされる3人の逮捕につながる情報に対し、1200万ドル(約18億円)の報奨金をかけている。