◎デモ隊は汚職疑惑で告発されているカスティジョ氏の辞任を求めて市内を行進した。
2022年11月5日/ペルー、首都リマ、カスティジョ大統領の辞任を求めるデモ(Getty Images/EPA通信)

ペルーの首都リマで5日、カスティジョ(Pedro Castillo)大統領の辞任を求めるデモ隊と警察が衝突した。

地元メディアによると、機動隊は催涙ガス弾を使用してデモ隊を解散させたという。負傷者が出たかどうかは明らかになっていない。

デモ隊は汚職疑惑で告発されているカスティジョ氏の辞任を求めて市内を行進した。

左派のカスティジョ氏は昨年7月、国民の生活を第一に考える大統領になると有権者に約束し就任したが、修士論文の盗用疑惑や汚職など、少なくとも6つの疑惑で批判にさらされ、厳しい政権運営を余儀なくされている。

ペルーはインフレ、石油流出事故、観光業の衰退など、多くの問題に直面している。

世界銀行によると、ペルーはコロナウイルスとウクライナ侵攻の影響を強く受けた国のひとつで、貧困レベルは今後2年間でパンデミック以前の水準を上回る見通しだという。

カスティジョ氏は貧富の差を解消すると約束したが、野党が過半数を占める連邦議会はカスティジョ氏の計画をことごとく阻止した。

ロイター通信の取材に応じたデモ参加者は、「この国は地獄の様相を呈している」と語った。「カスティジョは何もできず、国民が飢えるところを遠くから黙って見ているだけです...」

別の参加者はAP通信に、「この国は崖っぷちに立たされている」と述べた。

報道によると、デモ行進や集会はリマ以外の都市でも開催されたという。リマの政府庁舎周辺に配備された機動隊はデモ隊の接近を阻止するために催涙ガス弾を使用した。

カスティジョ氏は弾劾訴追決議案を2度乗り越え、不正疑惑をすべて否定している。

しかし、検察は先月、カスティジョ氏とその家族が犯罪組織とつながっていると告発した。

カスティジョ氏はこの告発を否定し、野党が自分を失脚させるために偽情報を拡散していると非難した。

カスティジョ氏は5日、ツイッターに声明を投稿し、貧富の差を解消するために戦い続けると誓った。「偽情報を拡散する敵には負けません...」

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