チリSQM、全従業員の5%解雇へ、リチウム価格低下で業績悪化

世界中の鉱山会社は22年末のピークから電気自動車(EV)の需要が予想より弱く、供給過剰によりリチウム価格が約90%急落した影響を受けている。
南米チリのリチウム鉱山(ロイター通信)

南米チリのリチウム生産大手SQMがリチウムの価格低下を受け、全従業員の5%を解雇する措置を開始した。現地メディアが25日に報じた。

ロイター通信は従業員の話しとして、「リチウム部門と肥料部門の両方で人員削減が行われる」と伝えている。

リチウムは自動車、スマートフォン、コンピューターなどの電子機器類に使われる非常に価値の高い鉱物であり、「ホワイトゴールド」と呼ばれている。

世界中の鉱山会社は22年末のピークから電気自動車(EV)の需要が予想より弱く、供給過剰によりリチウム価格が約90%急落した影響を受けている。

一部の鉱山会社は人員削減や設備投資の見直しを余儀なくされている。

SQMの25年第1四半期(1~3月)の純利益は1.375億ドル。アナリストの予想(1.712億ドル)を下回った。

SQMは先月末、今年上半期を通じてリチウム価格の低迷が続くと予想していたが、人員削減についてはコメントしていない。

地元テレビ局はSQM幹部の話しを引用し、「リチウム部門と肥料部門の両方での削減はコア事業や生産見通しに影響を与えない」と報じた。

解雇される従業員の数は明らかになっていない。

SQMの年次報告書によると、同社の24年末時点の従業員数は8344人。その3分の2はチリ北部でリチウムの採掘と加工を行う事業所で働いていた。

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