チリ議会、妊娠中絶を合法化する法案の審議開始へ

チリ、ペルー、エクアドル、パラグアイ、ボリビア、ベネズエラは女性の生命が危険にさらされている場合、中絶を許可している。
チリ、首都サンティアゴ、国際セーフ・アボーション・デーを記念するデモ行進(ロイター通信)

南米チリの議会が妊娠中絶を非犯罪化する法案の審議を開始する見込みである。

中絶を認める国とそうでない国との対立が深まる中、この法案はラテンアメリカ全体に波及効果をもたらす可能性がある。

メキシコやアルゼンチンなどの主要なラテンアメリカ諸国は中絶を認めているが、ブラジルでは中絶のアクセス拡大を求める最高裁の訴訟が8年間停滞している。

一部の国では進歩的な政治の流れを受けて中絶権が拡大されつつあるものの、大多数の国では依然として中絶がほぼすべてのケースで禁止されている。

キューバは1965年にラテンアメリカで初めて中絶を非犯罪化した。国立病院では妊娠12週目まで無料で中絶可能。強姦や近親相姦など、特定のケースではそれ以降の中絶も認められている。

これらのケース、強姦や近親相姦、胎児の生存不能、女性の健康や生命へのリスクは地域全体で重要な基準となっている。

ガイアナは1995年に中絶を合法化。8週目まで実施可能とし、一部延長も認めている。

ウルグアイは2012年に12週までの中絶を合法化し、チリは2017年に完全禁止を12週まで緩和した。

アルゼンチンは2020年に14週までの中絶を合法化した。

コロンビアは2022年に24週までの中絶を合法化。世界で最も寛容な国の1つになった。

ラテンアメリカの中で、妊娠3か月を超えて中絶を許可している国は少ない。

チリ、ペルー、エクアドル、パラグアイ、ボリビア、ベネズエラは女性の生命が危険にさらされている場合、中絶を許可している。

それ以外の国々は原則認めておらず、カリブ海諸国は特に厳しい。

ハイチとドミニカはいかなる状況でも中絶を認めていなかったが、ハイチは21年、12週までの中絶を認める刑法を公布した。

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