◎イースター島には約1000体のモアイ像があり、大きいものは重さ74トン、高さ10メートルにもなる。
チリ領イースター島の首長は6日、ユネスコ世界遺産に登録されているラノララク山の周辺で森林火災が発生し、約60ヘクタールが被害を受けたと報告した。
エドムンズ(Pedro Edmunds)首長は地元メディアの取材に対し、「森林とモアイ像が被害を受けた」と語った。
火災は3日に発生したと報告されている。火元は明らかにされておらず、被害の全容もまだ分かっていない。
チリの文化・芸術・遺産省によると、この火災で影響を受けたモアイ像の数はまだ把握できていないという。
モアイ像はイースター島を代表する観光資源で、様々な大きさの像が1000体近く設置されている。これはポリネシアの部族が500年以上前に作ったものである。
文化・芸術・遺産省のペレ(Carolina Perez)文化遺産担当次官は6日、「約60ヘクタールが焼け、モアイ像の一部も被害を受けた」とツイートした。
ペレ氏によると、ラノララク山周辺が特に大きな被害を受けたという。
イースター島はチリの沖合約3500kmに位置する観光産業に特化した島で、コロナの大流行で2年間閉鎖され、8月に観光客の受け入れを再開したばかりだった。
地元メディアによると、政府のチームが現地入りし、被害状況を調査しているという。ラノララク山周辺はこの火災の影響で閉鎖されており、民間人は立ち入れない。
エドムンズ首長は地元メディアに、「取り返しのつかない被害が出た」と語った。
国立公園を管理しているマウヘヌア・コミュニティ(Ma'u Henua Indigenous Community)は公式SNSに、「モアイは完全に炭化している」と投稿した。
イースター島には約1000体のモアイ像があり、大きいものは重さ74トン、高さ10メートルにもなる。これは1400~1600年代の先住民であるラパヌイ族によって彫られ、島の内陸に配置された。