◎決選投票は6月19日に行われる予定。
2022年5月29日/コロンビア、首都ボゴタの投票所前、グスタボ・ペトロ氏(Santiago Arcos/ロイター通信)

コロンビアで29日、大統領選第1ラウンドの開票作業が行われ、元左翼ゲリラのグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)氏が1位、実業家のロドルフォ・エルナンデス(Rodolfo Hernandez)氏が2位となり、決選投票に駒を進めた。

ペトロ氏は当選要件である有効票の過半数に達する可能性があると伝えられていたが、第1ラウンドで勝負を決めることはできなかった。

決選投票は6月19日に行われる予定。

有力候補のひとりである中道右派のフェデリコ・グティエレス(Federico Gutiérrez)氏はエルナンデス氏に敗れた。

<2022コロンビア大統領選 第1R 開票率100%>
▽グスタボ・ペトロ 852万7273票(40.33%)
▽ロドルフォ・エルナンデス 595万3193票(28.15%)
▽フェデリコ・グティエレス 505万8000票(23.92%)
以下省略

反政府ゲリラ「4月19日運動(M-19)」の元戦闘員であるペトロ氏はコロンビア内戦の終結に向けた取り組みを加速させ、富裕層への課税を強化し、中小企業を支援し、国民の生活に寄り添う政府を形成すると公約に掲げ、支持を集めた。

コロンビア政府は反政府武装勢力「民族解放軍(ELN)」を含む左翼ゲリラや複数の麻薬カルテルと戦闘状態にある。

M-19は1990年に武装解除し、「M-19民主同盟」に生まれ変わった。

一方、77歳のビジネスマンである前ブカラマンガ市長のエルナンデス氏は予想以上の票を集め、決選投票に駒を進めた。

ペトロ氏が勝利すれば、コロンビア史上初の左派リーダー誕生となる。コロンビアは米国と緊密な関係を維持してきたが、ペトロ氏が大統領に就任すれば関係悪化は避けられないだろう。

ペトロ氏は年金の再分配、公立大学の無償化、不平等の解消を公約に掲げ、ELNとの和平を確立すると有権者に約束した。

また国内の石油・ガス開発を停止し、地球と国民に優しいコロンビアを作るとしている。経済界はペトロ氏の政策に懸念を表明しているが、人口の大多数を占める低中所得者層は同氏の政策を強く支持している。

2022年5月29日/コロンビア、首都ボゴタで開催されたグスタボ・ペトロ氏の集会(Fernando Vergara/AP通信)
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