▽ボリッチ氏と閣僚数人は専門家チームに連れられ、基地周辺をブラブラした。
南米チリのボリッチ(Gabriel Boric)大統領が3日、南極大陸に上陸し、アムンゼン・スコット基地を訪問した。
アメリカ大陸の国家元首が南極を訪れたのは初めて。
ボリッチ氏は記者会見で、「南極の一部はチリの領土であるという主張を再確認することができた」と語った。
チリ領南極の面積は125万平方キロメートルに達する。しかし、国際社会はこれを認めておらず、チリも締約している「南極条約」によって南極における領土主権、請求権は凍結されている。
ボリッチ氏は演説の中で、「チリの大統領が南極にやってきて、チリの南極ミッションについて話したのはこれが初めてだ」と語った。
ボリッチ氏と閣僚数人は専門家チームに連れられ、基地周辺をブラブラした。
大統領府は声明で、「今回の訪問で、チリが南極への世界の玄関口であることを再確認した」と述べた。
ボリッチ氏は2021年の大統領選で勝利。同国史上最年少の大統領となった。
ボリッチ氏以外に南極を訪れた世界の指導者はニュージーランドとノルウェーの首相2人のみ。
チリ、イギリス、フランス、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンなど数カ国が南極の一部の領有権を主張し、さらに多くの国が南極大陸に進出している。
南極大陸は国ではなく、政府も先住民も存在せず、大陸全体が特別保護地区に指定されている。