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チリ・リチウム大手SQM、25年第4四半期純利益53%増

リチウム価格は2022年の高値から調整局面にあるが、EVや大型蓄電池への需要増が続くとの見方が強い。
南米チリの鉱山(Getty Images)

チリの大手リチウム生産企業SQMは2月28日、2025年第4四半期(10〜12月)の純利益が前年同期比で53%増の1億8380万ドルに達したと発表した。リチウム価格の上昇と販売量の増加が収益を押し上げたことが主な要因で、売上高も前年同期比23.3%増の13億2000万ドルに伸びた。これにより同社の業績は市場予想を上回る堅調な内容となった。

第4四半期の売上総利益は52.7%増の4億4850万ドル、リチウム事業が全体の収益を牽引した。SQMのリチウム関連事業にはアンデス高地の塩湖を中心に展開する「Nova Andino Litio(旧SQMサラール部門)」と国際リチウム部門があり、ともに史上最高水準の販売量を記録した。

SQMは第4四半期の結果について「両リチウム事業部門で記録的な販売量を達成したことが、今回の収益改善に大きく寄与した」と評価した。また、2025年11月頃からエネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Storage Systems)向けの需要が予想以上に強く、供給と需要のバランスが改善し始めたことが市場環境を後押ししたと述べた。リチウム電池の需要は電気自動車(EV)や再生可能エネルギーの普及とともに今後も拡大が見込まれ、中長期の成長が期待される。

またSQMは、中国における硫酸リチウムから炭酸リチウムへの精製能力を、契約加工(トーリング)方式で拡大している。これにより、原材料から最終製品までの付加価値を高めることを目指す。SQMはこの取り組みが将来的な収益性向上に寄与すると説明した。

2025年度通年の業績も改善が顕著で、純利益は5億8810万ドルとなり、前年度の4億440万ドルの赤字から黒字へ転換した。通年の売上高は1%増の45億8000万ドルにとどまったものの、利益面では大幅な回復を果たした。これによりSQMは近年のリチウム価格低迷や供給過剰といった逆風を乗り越えつつあることが示された。

SQMはチリ国内でリチウム生産を行う2社のうちの1社であり、もう1社である米国のアルベマールなどと並ぶ世界的な主要リチウム供給企業である。リチウム価格は2022年の高値から調整局面にあるが、EVや大型蓄電池への需要増が続くとの見方が強い。これらの需要動向が今後の業績を左右する重要な要素となる。

業界関係者はリチウム市場が今後数年で再び需給逼迫の局面に向かう可能性を指摘し、SQMのような主要生産企業は新たな成長機会を迎えていると評価している。一方で、供給能力の拡大や価格変動のリスクも依然として存在しており、同社がこれらの課題をどのように処理していくかが注目される。

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