◎チリが週労働時間を短縮するのは2回目。最初は2005年で、48時間から45時間に短縮した。
南米チリの国会(下院)は11日、週の労働時間を45時間から40時間に短縮する労働法改正法案を圧倒的賛成多数で可決した。
上院は3週間前にこの法案を全会一致で可決している。国会は賛成127-反対14で可決した。
左派のボリッチ(Gabriel Boric)大統領は昨年3月に週40時間労働を公約に掲げて就任。5月1日までに法案に署名する予定である。
大統領府の報道官は「この国を支える労働者の権利が拡充されることを嬉しく思う」とツイートした。
チリが週労働時間を短縮するのは2回目。最初は2005年で、48時間から45時間に短縮した。
首都サンディアゴのデパートで働く54歳のネイリストはAP通信の取材に対し、「子供を持つ母親の多くが労働時間の短縮を求めていた」と語った。
法案はボリッチ氏の署名後、3段階に分けて適用される予定だ。1年目は労働時間を44時間に、3年目に42時間、5年目に40時間になる。なお、企業は労働時間を前倒しで短縮することも可能であり、一部の大手は法律が施行され次第、40時間を採用するとしている。
南米で週40時間労働を採用する国はエクアドルに次いで2カ国目。
チリ国会は週休2日制についても議論している。この法改正は2017年に共産党員が提案したものの、協議は遅々として進まなかった。大手と中小零細企業の労働者及び雇用主は政府主催の作業部会で200回近く議論している。