◎重武装した強盗犯約10人は米フロリダ州マイアミ発の航空機に積まれていた3250万ドルの強奪を試みた。
チリ、首都サンティアゴの大統領府、ボリッチ大統領(Getty Images)

チリ政府は8日、首都リマのアルトゥロ・メリノ・ベニテス国際空港で銃撃戦が発生し、警備員1人と強盗犯1人が死亡したと発表した。

内務省によると、重武装した強盗犯約10人は8日、米フロリダ州マイアミ発の航空機に積まれていた3250万ドルの強奪を試みたという。

内務省報道官は声明で、「強盗団は警備をかいくぐって空港滑走路に侵入し、航空機から装甲車に現金を移すところを狙った」と述べている。

その後、空港警備員と強盗団の間で銃撃戦が発生し、警備員1人と強盗犯1人が死亡した。

残りの強盗犯は現場から逃走。地元警察によると、空港近くで黒焦げになった車両2台が見つかったという。

内務省報道官は亡くなった警備員に哀悼の意を表したうえで、「強盗団は高度に組織化され、重武装していた」と述べた。

ツイッターで共有された動画には、狙われた航空機の隣に止まっていた米デルタ航空の機体に弾痕があるように見えた。

内務省によると、航空機の乗客と乗員にケガはなかったという。

現金3250万ドルはチリ国内の複数の銀行に運ばれる予定だ。

内務省報道官は強盗団が現金を輸送する航空機を把握していたことについて、「銀行や関係機関の連絡体制・情報伝達が適切に行われていたか確認することになる」と述べた。

アルトゥロ・メリノ・ベニテス国際空港が狙われたのは今回が初めてではない。

2020年には空港の金庫から約1500万ドルが盗まれた。この6年前には強盗犯が1000万ドルを強奪している。

ボリッチ(Gabriel Boric)大統領は8日の演説で強盗未遂事件に深刻な懸念を表明し、「機密情報は慎重に取り扱う必要があり、強盗にスキを見せてはならない」と指摘した。

最新の世論調査によると、ボリッチ政権の支持率は30%台まで低下し、回答者の8割がボリッチ政権発足以降に犯罪が増加していることに不満を感じているという。

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