チリ政府、ピノチェト独裁政権時代の拷問関連土地を接収へ

この集落は1961年に元ナチス軍医で後に福音派の説教者となる男によって設立された。
南米チリ、ピノチェト独裁政権時代に秘密警察が使っていた建物(ロイター通信)

チリ政府が故ピノチェト(Augusto Pinochet)元大統領の軍事独裁政権下で拷問が行われた集落の土地を接収する計画を発表した。地元メディアが23日に報じた

この集落は1961年に元ナチス軍医で後に福音派の説教者となる男によって設立された。この男はその後、児童への性的虐待で収監された。

この集落は1973年から1990年までの独裁政権下で別の種類の虐待の現場となった。秘密警察はこの集落の刑務所で政治犯を拷問した。

元ナチス軍医は秘密警察と協力し、その見返りとして自身の犯罪を黙認されてきた。

独裁政権は秘密主義的で要塞化された遠隔地のコミュニティで反対派を拘束・拷問。この集落を理想的な場所と見なしていた。

政府はこの集落(117ヘクタール)に記念碑を建設する予定である。

地元メディアによると、この集落は首都サンティアゴの南方約350キロに位置し、かつて数百世帯が住んでいた。現在の人口は約100人、その多くがドイツ人入植者の子孫である。

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