◎言論の自由絶対主義者を自称するマスク氏はボルソナロ支持者によるフェイクニュースの流布をめぐり、検察庁の捜査を受けている。
ブラジル・リオデジャネイロのコパカバーナ海岸で21日、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を応援する集会が開かれ、数千人が参加した。
一部のデモ参加者は米電気自動車大手テスラのマスク(Elon Musk)CEOを称賛し、検察と司法を非難した。
現地メディアによると、会場には「ありがとうイーロン」「言論の自由を守る英雄イーロン」「ブラジルはイーロン・マスクに感謝する」などと書かれた横断幕や看板が設置されたという。
言論の自由絶対主義者を自称するマスク氏はボルソナロ支持者によるフェイクニュースの流布をめぐり、検察庁の捜査を受けている。
検察はマスク氏がX(旧ツイッター)で拡散された偽情報を放置し、高等裁判所にそれを削除するよう命じられたにもかかわらず、従わなかったとして捜査している。
マスク氏はこれにXで反論。「高裁判事が憲法を無視して言論の自由を抑圧している」と書き込んだ。
またマスク氏は「司法が言論の自由を含む民主主義を破壊したとしても、ユーザーはVPN接続(仮想専用通信網)を使って弾圧を回避することができる」と指摘した。
検察はこの発言を受け、扇動罪、共謀罪、業務妨害などの疑いでマスク氏の捜査を拡大すると発表。高裁もこれを支持している。
TVグローボなどが行った世論調査によると、回答に応じたSNSユーザーの7割が偽情報の拡散にウンザリし、国家元首がそれを投稿したり共有したりすることに問題があると指摘したという。
Xやフェイスブックを運営するメタ社は偽情報の拡散だけでなく、詐欺につながる広告を掲載し続けていることでも非難を浴びている。
ボルソナロ氏は複数の法廷闘争を抱えており、海外に逃亡する恐れがあるとして今年2月にパスポートを没収されている。