◎警察当局は「不作為」の責任を負うべき高官の逮捕状を発行した。
ブラジルのダシルバ（Luiz Inácio Lula da Silva）大統領は12日、大統領府内のボルソナロ（Jair Bolsonaro）前大統領の支持者が8日の暴動を手助けしたと明らかにした。
ダシルバ氏は記者会見で、「大統領官邸内のボルソナロ氏の支持者が暴徒を連邦政府の施設内に招き入れたと確信している」と説明した。
またダシルバ氏は暴動に直接関与した者以外の調査も徹底すると約束した。
当局によると、これまでに約1500人が暴動に関与したとして逮捕された。
ダシルバ氏は記者団に対し、「連邦政府施設の玄関は壊されておらず、誰かが暴徒を招き入れたのは明らかだ」と語った。「玄関のドアは壊されず、暴徒は簡単に議会・大統領府・最高裁建屋に侵入できました。誰かが彼らを招き入れたのは明らかです...」
またダシルバ氏は多くの軍・警察関係者が暴徒と連帯していたと述べた。
ボルソナロ政権時代の法務・公安相も12日、ブラジリアの治安当局を「無能」と糾弾し、軍と警察が暴動を後押ししたのは明らかだと非難した。「大統領官邸はボルソナリスタと軍関係者でいっぱいでした。現政権は不誠実な治安当局者を徹底的に調査し、あぶり出し、政治に左右されない独立した体制を構築すべきです...」
ダシルバ氏は「筋金入りのボルソナリスタと疑われる者は大統領府にとどまることはできない」と強調した。「私を撃つかもしれない人物を大統領府内にとどめたいと思いますか？」
地元メディアによると、警察当局は「不作為」の責任を負うべき高官の逮捕状を発行したという。
軍高官もその対象と伝えられているが、詳細は明らかにされていない。軍上層部はボルソナロ派が多数派を占めると広く認識されている。
軍当局は一部の将校が警察によるデモ参加者の拘束を阻止したと地元メディアが映像付きで報じた後、釈明に追われた。
しかし、ダシルバ氏はムシオ（Jose Mucio）国防相の解任を否定し、記者団に「私は彼を信頼している」と語った。「現場のミスをすべて大臣に負わせてクビにしていたら、好転は望めないでしょう...」
ムシオ氏は右派政党に所属し、ボルソナロ氏寄りと見られている。前政権の報道官は昨年11月、ムシオ氏が国防相に内定したという報道を歓迎していた。
一方、ボルソナロ氏と一緒に米フロリダ州に渡ったとされるトレス（Anderson Torres）法務・公安相は今週の家宅捜索で「昨年の大統領選の結果を覆す法令案を準備していた証拠が見つかった」という報道を否定した。
トレス氏はツイッターに声明を投稿。大臣の役割について「明確な良心」を持っていると述べ、当局は不正確な情報をリークしていると非難した。
ボルソナロ氏の支持者が大量に逮捕されたにもかかわらず、当局はさらなる抗議デモが組織される可能性があると警告している。
地元メディアによると、ボルソナロ氏の支持者は全国の州都でデモを行うよう呼びかけたという。
ダシルバ氏はSNS運営会社に対し、犯罪行為に関与したアカウントを停止するよう求めている。
