◎土砂崩れはリオデジャネイロ州ペトロポリスの山間部に建設された住宅地で発生した。
2022年2月20日/ブラジル、リオデジャネイロ州ペトロポリス、行方不明者を捜索する人々(Getty Images/AFP通信)

2月21日、ブラジル南部リオデジャネイロ州で発生した土砂災害から5日が経過し、死者は170人を超えた。

連邦政府と州政府の救助隊は行方不明者の捜索活動を続けている。地元メディアによると、死亡が確認された人は21日時点で171人、120人以上の行方が分かっていないという。

土砂崩れはリオデジャネイロ州ペトロポリスの山間部に建設された住宅地で発生した。正確な発生時刻は明らかにされていないが、15日の午後7時頃と伝えられている。

犠牲者の中には子供が27人含まれていた。被害を免れたペトロポリスの多くの住民が救助隊の捜索活動を支援している。

現場の天候は土砂崩れ発生以降も不安定で、救助隊は何度も活動中断を余儀なくされている。

AFP通信によると、約900人が学校や避難所に身を寄せている。

救助隊は手作業で行方不明者を探しており、41頭の探知犬も動員された。

ペトロポリス消防署の特別救助隊を率いるアマラル氏はAFP通信に、「重機を投入できないため、捜索に時間がかかっている」と頭を抱えた。「2次災害の恐れがあるため、重機は地盤の安定したエリアでしか活動できません」

最も被害が大きかった地域の家屋推定80戸はすべて地滑りに飲み込まれたと伝えられている。

ペトロポリスはリオデジャネイロ州の中部に位置する避暑地で、標高は約800m。地盤の安定している地域には大邸宅が立ち並んでいる。

しかし、人口は無秩序に増え続け、山の斜面には小さな住宅が密集して建っており、その多くは住宅に適さない地盤の上に建設された。専門家は森林伐採、排水不備、脆弱な地盤、大雨が組み合わさり、大規模な土砂崩れを引き起こしたと指摘している。

土砂災害を免れた地域では大規模な清掃活動が行われた。AFP通信によると、洪水に巻き込まれた車両は300台以上にのぼり、その多くが廃車になる見込みだという。

ペトロポリスの市長は21日の記者会見で、「行方不明者の捜索活動を継続しつつ、洪水被害に遭った地域の清掃と復興を進める必要がある」と語った。

15日の雨量は2月の月間降水量を上回り、地滑りと洪水を引き起こした。2月18日に現地を視察したジャイール・ボルソナロ大統領は犠牲者に哀悼の意を表し、街の復興と被災者の支援に全力を挙げると約束した。

2022年2月20日/ブラジル、リオデジャネイロ州ペトロポリス(Getty Images/AFP通信)
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