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ブラジル、「家計債務」の増加受け融資抑制策を検討

ブラジルでは雇用や所得が比較的堅調に推移する一方、家計の債務負担は過去最高水準に近づいており、信用拡大が個人消費や経済成長の重荷となる懸念が強まっている。
ブラジル、首都ブラジリア、中央銀行本店(Bloomberg)

ブラジル政府と金融当局が、家計債務の増加と貸し倒れリスクの高まりを受け、融資の拡大を抑制するための措置を検討している。ブラジルでは雇用や所得が比較的堅調に推移する一方、家計の債務負担は過去最高水準に近づいており、信用拡大が個人消費や経済成長の重荷となる懸念が強まっている。

特に問題となっているのが、無担保の個人向け融資やクレジットカード、給与天引き型融資などの延滞増加である。ブラジル中央銀行によると、特定用途に限定されない融資の延滞率は2026年5月に6.2%まで上昇し、同統計が始まった2011年以降で最高を更新した。なかでも無担保個人融資の延滞率は14.2%、自動車ローンは6.5%、民間部門労働者向け給与天引き融資は7.9%に達している。

大手銀行もすでに融資姿勢を慎重化している。サンタンデール・ブラジルなどは月収4000レアル未満の借り手への融資を縮小し、無担保融資よりも担保付き商品や比較的所得の高い顧客を重視する方向に転じている。家計の債務負担は可処分所得の約50%と過去最高水準に近く、銀行側では信用サイクルが悪化する前にリスクを抑える必要性が意識されている。

政府はこれまで、債務を抱える世帯を対象にした返済条件の緩和や債務再編を進めてきた。しかし、こうした対策だけでは債務増加そのものを止めることが難しく、融資基準の厳格化など、信用供給側への対応も必要になっている。中銀もクレジットカード金利の一律上限には慎重な姿勢を示しつつ、消費者がより低コストで信用を利用できる仕組みを模索している。

今回の動きは、ブラジル経済が「借り入れによる消費拡大」から「過剰債務の調整」へ移行する転換点となる可能性がある。融資を抑制すれば家計の過剰債務を防ぐ効果が期待できる一方、消費や景気を冷やす副作用も避けられない。

高金利環境が続く中、当局は金融安定と経済成長の両立という難しい政策判断を迫られている。

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