SHARE:

ブラジル警察、iFood元社員の端末を押収、営業秘密流出疑惑、捜査進む

捜査対象となった元社員は、アイフージで戦略営業部門の幹部として勤務し、顧客の取引量やプロフィールなどの機密情報にアクセスできる立場にあった。
食品宅配大手アイフージ(iFood)のロゴ(ロイター通信)

ブラジル警察は今週、食品宅配大手アイフージ(iFood)の元社員を対象に家宅捜索・押収を実施した。競合する99フード(99Food)への転職前に、アイフージの機密性の高い営業情報を不正にダウンロードした疑いがあり、警察は押収した電子機器を解析してデータの流出経路や利用実態を調べている。

捜査対象となった元社員は、アイフージで戦略営業部門の幹部として勤務し、顧客の取引量やプロフィールなどの機密情報にアクセスできる立場にあった。2025年にアイフージを退職する際、99フードに移ることを会社側に伝えていたが、社内調査によって退職直前に関連ファイルをダウンロードしていたことが判明したという。

アイフージは元社員による機密性の高い情報の窃取を疑い、警察に申し立てた。警察は今回の捜索でパソコンなどの電子機器を押収し、誰がどの情報にアクセスしたのか、さらに第三者や企業が情報を取得した可能性があるかを調べている。元社員は警察に対し、現在は99フードで働いておらず、独立したコンサルタントとして活動していると説明したという。

99フードは問題を深刻に受け止め、違法に入手されたデータの利用を容認しないと表明した。同時に、捜索対象となった人物は現在、同社の従業員ではないと説明している。

今回の捜査は、ブラジルの食品宅配市場で競争が激化する中で進んでいる。アイフージはオランダの投資会社プロサス(Prosus)傘下で、国内市場の約80%を占める。一方、配車大手ディディ・グローバル(DiDi Global)傘下の99フードや、中国の美団(Meituan)が展開するKeetaが市場に参入し、各社の競争は激しくなっている。

企業情報を巡る問題とは別に、各社はブラジルの競争当局Cadeでも対立している。Keetaは99フードの飲食店との独占契約を問題視し、アイフージも99フードとKeetaの市場拡大戦略について調査を求めている。

今回の事件は成長市場を巡る企業間競争が営業秘密やデータ管理を巡る法的問題にまで広がっていることを示している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ