ブラジル大統領選、最高裁がAIディープフェイクに新基準、ボルソナロ氏めぐる事例受け
今回の判断の背景には、野党の大統領候補であるフラビオ・ボルソナロ上院議員の事例がある。
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ブラジルの最高裁判所は9月1日、人工知能(AI)で作られた「ディープフェイク」を政治広告でどのように扱うかについて、新たな基準を示した。10月4日に大統領選を控える中、AIによる偽情報や候補者の印象操作を抑制し、選挙の公正性を守ることが狙いだ。
今回の判断の背景には、野党の大統領候補であるフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員の事例がある。7月にサンパウロで開かれた自由党の党大会では、収監中の父親であるボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領をAIで再現した映像が上映され、息子への支持を呼びかけるような発言をさせていた。ボルソナロ氏はクーデター未遂を主導したとして27年の禁錮刑を受けている。
最高裁はこの映像について、4対3でフラビオ氏を処分しないと判断した。映像が公開されたのは正式な立候補表明前の党大会であり、公に行われた選挙広告には当たらないと判断したためだ。一方、別の判断では5対2で、政治広告におけるディープフェイクの定義を明確化した。
新たな基準では、AIなどの技術によって人物の画像や声、発言を合成・改変し、現実のものと見分けにくい水準で再現したコンテンツをディープフェイクと位置付ける。対象は存命人物だけでなく、故人や架空の人物にも及ぶ。
ブラジルでは選挙運動においてSNSなどインターネットの影響力が大きく、AIで加工された映像や音声が有権者の判断を左右する可能性が高まっている。今回の基準はAI技術の急速な普及によって生じた新たな選挙上のリスクに対し、司法当局が具体的な線引きを示したものとなる。
今後の選挙運動では、AIを利用したコンテンツの作成や拡散をめぐり、候補者や政党に一層慎重な対応が求められる。
