ブラジル公取、WhatsAppビジネスの調査を開始
WhatsApp Businessは企業や開発者が顧客との連絡やサービス提供に利用するプラットフォームであり、メタは近年、人工知能(AI)技術を統合した機能やAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)の拡充を進めている。
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ブラジルの公正取引委員会に相当する競争・独占防止庁(CADE)は12日、米IT大手メタが提供するWhatsApp Business(ワッツアップ・ビジネス)の新しい利用規約について、正式な調査を開始すると発表した。今回の調査は同規約が競争を阻害し得るかどうかを見極めることを目的としており、その間に新規約のブラジルでの適用を一時停止する決定も併せて示された。
WhatsApp Businessは企業や開発者が顧客との連絡やサービス提供に利用するプラットフォームであり、メタは近年、人工知能(AI)技術を統合した機能やAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)の拡充を進めている。しかし、CADEはこの新規約がAIツールプロバイダーのアクセスやサービス提供に不当な制限を設ける可能性があるとして、独占禁止法に照らして問題がないかの判断を求めることにした。
CADEは声明で、新規約に関連して「AI技術プロバイダーによるアクセスやオファーに関して潜在的な反競争的行為が存在する可能性がある」と指摘。調査が完了するまでの間、当該の規約改定はブラジル国内では効力を持たないとした。WhatsApp Businessのユーザーや関連企業に対し、現行の条件下での利用を継続するよう求めている。
メタはこれまでに、WhatsApp Business APIを通じたAIサービスの統合を進める中で、特定のAI機能やチャットボットなどをプラットフォームに導入できるようにする取り組みを行ってきた。これに関連する規約変更は、ユーザー体験の向上や効率化を目指したものだと説明されているが、競争当局や一部の企業からは、メタ自身のAI機能を優遇するものではないかとの懸念が示されていた。
国際的にも、WhatsAppのAI戦略や利用規約を巡る独占禁止上の懸念は他地域でも見られる。例えば、イタリアの規制当局は2025年末に、メタが競合AIチャットボットの利用を排除しているとして一部条件の停止を命じるなど、AIを巡る規約が市場の競争に与える影響について注目が集まっている。
ブラジルは南米最大のインターネット市場の一つであり、WhatsAppは同国で広く利用されているコミュニケーションツールだ。国内には小規模・中規模企業がWhatsApp Businessを通じて顧客対応や営業活動を行う例が多く、APIの仕様や利用条件が競争環境に与える影響は大きい。CADEによる調査は、プラットフォーム経済が進む現代における競争法のあり方を問う重要なケースとなる可能性がある。
競争当局は今後、メタ側と関係企業からの意見や証拠提出を受け、WhatsApp Businessの新規約が市場競争を制限していないかどうかを評価する方針だ。仮に反競争的な条件が認められれば、規約の修正や制限措置が求められる可能性がある。調査結果は同国のみならず、グローバルなデジタルプラットフォームの規制動向にも影響を与え得るため、今後の展開が注目される。
