◎ダシルバ氏の大統領就任式は1月1日に行われる。
2022年12月29日/ブラジル、首都ブラジリア、ボルソナロ大統領(Bruna Prado/AP通信)

ブラジル政府は30日、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が国を離れ、副大統領が大統領代行を務めると明らかにした。

地元メディアによると、副大統領の報道官はボルソナロ氏が出国したことを認めたという。

これにより、ボルソナロ氏が1月1日に行われるダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)氏の大統領就任式に出席する可能性は低くなった。

報道によると、ボルソナロ氏は米フロリダ州に向かい、1月1月~30日の間、現地にとどまる予定だという。

地元メディアはフライト情報を引用し、「軍専用機は午後2時頃(現地時間)に首都ブラジリアを出発し、フロリダ州に向かった」と報じている。

ダシルバ氏は1月1日に就任するものの、誰がたすきを渡すかは不明だ。副大統領の報道官は声明で、「それは大統領代行の職務に含まれない」と主張した。

ボルソナロ氏は10月末の決選投票で敗れて以来、ほとんど公の場に姿を見せていない。

しかし、出国報道の数時間前、自身のソーシャルメディアに動画を投稿し、国民に語りかけた。

ボルソナロ氏は「合法的な代替案を見つけることも、歴史の流れを変え、退陣を阻止するのに十分な支持を得ることもできなかった」と語った。

「2カ月間、代替案を探すために戦ってきましたが...もしあなたが動揺しているなら、私の立場になって考えてみてください。私はこの国に命を捧げたのだ」

またボルソナロ氏はブラジリアで最近起きた爆破テロ未遂を非難し、「今必要なのは攻撃ではなく、新政権に立ち向かう反対勢力を構築することだ」と述べた。

「我々は戦いに敗れましたが、終わったわけではありません。1月1日に世界が終わるわけではない!」

地元メディアによると、ブラジリアの大統領府前には雨にもかかわらず多くのボルソナロ支持者が集まり、声援を送ったという。

ある者は「裏切り者」「逃げるな臆病者」と叫んだ。泣いている人もいた。

敗北以来、ボルソナロ氏の熱烈な応援団はブラジリアや他の地域にある軍施設周辺に陣取り、ダシルバ氏の就任を阻止するよう懇願してきた。

支持者は選挙管理委員会が不正を働いたと主張している。

一部の過激なデモ隊は高速道路を封鎖したり、バスやトラックに火をつけたりした。

警察は今月初めにブラジリアの連邦警察本部に侵入を試みた事件について捜査している。報道によると、捜査の対象となった32人のほとんどがボルソナロ氏の熱烈な支持者だという。

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