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ブラジル・ボルソナロ氏の長男、2026大統領選への出馬表明

フラヴィオ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「父からわが国の政治運動を継承する者に任命された」と説明した。
2025年11月22日/ブラジル、首都ブラジリア、ボルソナロ前大統領の長男フラヴィオ・ボルソナロ上院議員(AP通信)

ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領の長男であるフラヴィオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員は5日、来年の大統領選挙に立候補する意向を示した。

フラヴィオ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「父からわが国の政治運動を継承する者に任命された」と説明した。

またフラヴィオ氏「わが国最大の政治的・道徳的指導者である父から国家プロジェクトを託された」と記し、大統領選出馬を「重大な責任」として受け止めていると述べた。

ボルソナロ家を支持する右派政党・自由党もフラヴィオ氏の出馬と支持を確認。党首は父親が立候補できない状態にある現状を踏まえ、「フラヴィオ氏こそが2026年選挙での適任者だ」との見方を示している。

ボルソナロ氏はクーデター未遂裁判で実刑判決(27年)を受け収監中だ。同時に、公職選挙法に基づき2030年まで公職への立候補が禁じられている。

したがって、右派勢力が再び政権を取り戻す場合、新たな代表としてフラヴィオ氏が実質的な「顔」になる可能性があると見られていた。

一方で、この決定は国内の右派勢力に亀裂を生むリスクも指摘されている。もともと後継候補として有力視されていたサンパウロ州知事ら穏健右派や経済界寄りの政治家との間で、勢力の再編が不可避となりつつある。

市場関係者の間ではフラヴィオ氏擁立の報に対して通貨レアルが対ドルで約2%下落、主要株価指数も下落するなど、経済面への影響を懸念する声もある。

分析筋の中には、仮にフラヴィオ氏が2026年選挙で勝利を狙うなら、まず右派支持層の団結と、父ボルソナロ氏の根強い支持基盤を維持できるかが鍵だと指摘する。また、「ボルソナロ主義」の理念がどこまで受け継がれ、現代の経済・社会課題に通用するか、という問いも残る。

今回の出馬表明はブラジル保守派の将来を左右する重大な一歩とみられる。2026年大統領選は服役中の前大統領の影響力と、その後継としての長男という前代未聞の構図のもとで、世界の関心が集まる選挙となるだろう。

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