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米政府が新たな「食事ガイドライン」を公表、超加工食品を制限するよう推奨

新ガイドラインは5年ごとに改訂される連邦政府の公式な栄養指針であり、今回の改訂ではこれまで以上に「全体食品(whole foods)」へのシフトや精製炭水化物、添加糖の制限、健康的な脂肪やタンパク質の優先が強調されている。
米国のスーパーマーケット、ポテトチップスの棚(Getty Images)

ホワイトハウスは7日、連邦政府による「アメリカ人のための食事ガイドライン(2025–2030)」を公表し、国民に対して高度に加工された食品の摂取を制限するよう強く促した。新ガイドラインは5年ごとに改訂される連邦政府の公式な栄養指針であり、今回の改訂ではこれまで以上に「全体食品(whole foods)」へのシフトや精製炭水化物、添加糖の制限、健康的な脂肪やタンパク質の優先が強調されている。

ガイドラインは「eat real food(本物の食べ物を食べよ)」をメッセージに掲げ、果物、野菜、全粒穀物、良質なタンパク質、乳製品を中心とした食事を推奨する一方で、ポテトチップスやクッキー、キャンディーなどの「パッケージ化され準備済みの食品」といった高度加工食品および精製炭水化物を避けるよう勧告している。これらの食品は一般的に塩分や糖分が多く、糖尿病や肥満、心疾患など慢性疾患のリスクを高めるとされ、米国の食生活に占める割合が高いことが指摘されている。

今回の改訂はケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)保健福祉長官が主導し、同長官の「Make America Healthy Again(米国を再び健康に)」政策の一環と位置づけられている。ケネディ氏は長年にわたり加工食品や添加糖の過剰摂取が国民の健康悪化の大きな要因であると訴え、今回のガイドラインにもその考えが色濃く反映された。

新指針では、従来の飽和脂肪に関する制限についても見直しが行われている。従来のガイドラインは飽和脂肪の摂取を総カロリーの10%未満に抑えることを勧めていたが、今回の指針では飽和脂肪の全廃を求めるのではなく、肉や全脂乳製品、アボカドなどの自然な食品由来の飽和脂肪を選択することを奨励するとともに、引き続き摂取量全体を抑えるよう求めている。

また、添加糖については「健康的な食事の一部とはみなされない」と明言し、1食当たりの添加糖を10グラム以下に抑えることを推奨する新たな基準も提示された。これは1食分で砂糖約2小さじ分に相当する量であり、従来の「1日の総カロリーに占める添加糖の割合を減らす」という曖昧な指針から一歩踏み込んだ具体的な数値目標となっている。

ガイドラインはアルコールの扱いも見直しており、従来の「女性は1杯、男性は2杯まで」という上限を明示した助言を撤回し、より一般的に「健康のためには少量に留めるべき」と柔らかい表現に改めた。妊婦やアルコール依存症から回復中の人などには飲酒を避けるよう促している。

新ガイドラインは単なる健康指導に留まらず、全米の学校給食や高齢者向け栄養支援プログラム、低所得者向け食糧支援制度など、16を超える連邦栄養プログラムの基準にも影響を与える。これにより数千万人規模の米国民の食事内容や食材調達に直接的な変化が生じる可能性がある。

専門家からの評価は分かれている。医師会は加工食品や糖分制限の重要性を評価する一方で、飽和脂肪の扱いに関しては更なる研究が必要との声もある。また一部の栄養学者は「超加工食品」という用語自体の定義が曖昧であり、消費者に誤解を与える恐れがあると指摘している。

新たな食事ガイドラインは今後5年間の国の栄養政策の基盤となる予定であり、米国における慢性疾患対策や公衆衛生の改善に向けた議論が一段と活発化しそうだ。

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