◎毎年恒例の保守政治行動会議（CPAC）にはオルバン首相の友人、トランプ（Donald Trump）前大統領も登場する予定。
ハンガリーのオルバン（Viktor Orban）首相は4日、米国の保守王国テキサス州の保守派集会に参加し、「グローバリズムは地獄に落ちろ」と吠えた。
毎年恒例の保守政治行動会議（CPAC）にはオルバン氏の友人、トランプ（Donald Trump）前大統領も登場する予定。
極右のオルバン氏はテキサス州ダラスの共和党支持者に万雷の拍手で迎えられ、手を振り、投げキッスをした。
オルバン氏は先週、ハンガリー系民族が多く住むルーマニアのトランシルバニアで演説した際、「われわれは混血民族になりたくない」と述べ、人種差別主義者であることを公言し、側近のひとりにそっぽを向かれた。
オルバン氏はこの発言には触れなかったが、「キリスト教の政治家が人種差別主義者であるはずがない」と断言した。
またオルバン氏は、自分のことを人種差別主義者や反ユダヤ主義と批判した人々を「ただの馬鹿」と一蹴し、大歓声を浴びた。「彼らはただの馬鹿。私はハンガリーを心から愛する正真正銘の愛国者です！」
オルバン氏は左派系メディアの明日の見出しを予想できると主張し、喝采を浴びた。「彼らはこう書くでしょう。欧州の人種差別主義者・反ユダヤ主義者、プーチンのトロイの木馬がテキサスの保守派会議で演説！」
オルバン氏は左派系メディアを「フェイクニュース発信機」と批判した。「彼らは本当にひどい。私は彼らにネタを与えたくない。しかし、彼らは上手にフェイクニュースを書くんです」
今年4月の議会選で4選を決めたオルバン氏は、オバマ（Barack Obama）元米大統領と民主党の大口献金者である投資家のソロス（George Soros）氏を「グローバリスト」と批判し、米国とEUを取り戻さなければならないと主張した。「私たちは同じ課題に直面しています。ワシントンとブリュッセルを取り返さなければなりません。ハンガリー軍は米軍と強調して行動します」
オルバン氏は2024年の米大統領選を念頭に置き、「この2年で準備を整えなければならない」と共和党員を鼓舞した。
オルバン氏はハンガリー憲法を読み上げ、「結婚は一人の男性と一人の女性の間でのみ行われることを宣言する」と叫び、スタンディングオベーションを巻き起こした。「ドラァグクイーンを減らし、チャック・ノリス（Chuck Norris）を増やしましょう！」
ドラァグクイーンは女性の姿で行うパファーマンス。ゲイ文化を象徴する異性装のひとつである。
チャック・ノリスさんはハリウッドを代表する保守派俳優のひとり。全米ライフル協会（NRA）の名誉会長に選出されている。
オルバン氏は先月、ルーマニアの演説で「我々は混血民族になりたくない」と述べ、政権内でも批判に直面した。側近の一人はこの発言に抗議し、辞任している。
AP通信によると、オルバン氏は2日にニュージャージー州のトランプゴルフクラブを訪問したという。
オルバン氏を友人と呼んでいるトランプ氏は6日に講演する予定。
