◎コンゴ民主共和国軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘は10月20日に再燃した。
米国務省は10月31日、ルワンダ政府が隣国のコンゴ民主共和国東部で活動する反政府勢力「3月23日運動(M23)」を支援していると改めて懸念を表明した。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力。昨年11月頃から活動を活発化させ、現在はコンゴ東部に拠点を置いているとみられる。
コンゴ軍とM23の戦闘は今月20日に再燃した。地元の人権団体などによると、東部の北キブ州全体で数万人が避難を余儀なくされたという。
コンゴ政府はルワンダがM23を支援していると非難しているが、ルワンダ政府はこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺でツチ族の住民数十万人を虐殺したと告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
ツチ族で構成されるM23はコンゴ東部に逃げ込んだフツ族を掃討するために攻撃を仕掛けているとみられる。
ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は今年8月にこの地域を訪問した際、ルワンダ政府がM23を支援しているという「信頼できる」報告を受けていると警告していた。
国務省のプライス(Ned Price)報道官は記者団に対し、「武装勢力に対する国家の支援は容認できず、米国はこの問題について再度懸念を表明する」と語った。
またプライス氏はこの地域の主権と領土を尊重することが重要だと強調した。
プライス氏によると、国務省はルワンダとコンゴの両当局者と頻繁に連絡を取り合っているという。
M23は北キブ州の州都ゴマの郊外にある集落に侵攻、占領したと報告されている。
コンゴ政府は数カ月にわたる緊張を経て、29日遅くに駐ルワンダ大使に国外退去を命じた。ルワンダ政府はこの決定を受け入れたうえで、コンゴが両国の緊張をエスカレートさせていると非難した。