◎共和党有権者は来年の予備選でバイデン氏と闘う候補を選ぶことになる。
米フロリダ州のデサンティス（Ron DeSantis、44歳）州知事が24日、来年の大統領選予備選への立候補を表明した。
トランプ（Donald Trump）前大統領を師と仰ぐデサンティス氏はツイッターのマスク（Elon Musk）CEOとTwitterスペースで対談し、予備選への立候補を盛大に表明する予定だったが、技術的トラブルに見舞われ、トランプ陣営の笑いを誘った。
デサンティス氏の出馬表明はツイッタートラブルにより、20分遅れでスタートした。
同氏はプロモーションビデオの中で「私は偉大なアメリカの復活を導くため、大統領選に出馬します」とアピールした。
トランプ氏の支持者は「デサンティスはうまくやっている」「あなたは副市長になれる」「20分出遅れたけど公約はフレッシュ」と皮肉った。
デサンティス氏はプロモの中で自身の保守的な信条、アンチコロナの姿勢、教育改革をアピールした。
米メディアの世論調査によると、デサンティス氏は共和党候補の中で2位につけているが、首位のトランプ氏に30％以上の大差をつけられている。
デサンティス氏はフロリダ州出身のイタリア系アメリカ人。エール大学で歴史学を専攻したのちハーバード大学ロースクールに入学。在学中の2004年に海軍に入隊し、2007年にはイラクに派遣された。
2012年に連邦下院議会選で初当選を果たし、2018年のフロリダ州知事選に立候補。民主党候補を僅差で破り、昨年の州知事選では民主党候補に100万票以上の差をつけ圧勝した。
デサンティス氏は予備選の有力候補のひとりであり、トランプ氏の最大のライバルと目されている。
24日午後、数十万人のツイッターユーザーがデサンティス＆マスクのTwitterスペース開始を待った。
マスク氏は昨年ツイッターを買収して以来、サイトの運営や技術トラブルに対応する従業員を含む数千人を解雇している。
D＆MのTwitterスペースは予定時間になっても始まらず、共和党支持者だけでなくバイデン（Joe Biden）大統領もやきもきさせた。
バイデン氏は「このリンクは機能してるよ」とツイートし、自身の大統領選キャンペーンリンクを貼り付けた。
デサンティス陣営はこのトラブルを解消するためにフルスロットルで働き、ツイッターに「この発表があまりにも注目を集めたため、ツイッターをパンクさせてしまったようだ」と主張した。
また陣営の広報担当はオンラインイベントを1時間行っただけで100万ドルもの寄付が集まったと述べた。
ロイター通信によると、このイベントには一時、60万人以上のユーザーが集まったものの、終了時には30万人未満に減少したという。
英BBCが先月Twitterスペースで行ったマスクへのインタビューは300万人以上のユーザーを集めた。
トランプ氏と陣営はデサンティス氏を心配し、ソーシャルネットワーキングサービス「トゥルース・ソーシャル（TRUTH Social）」に大量の書き込みを行った。
トランプ氏はこう皮肉っている。「ロン、私の赤いボタンはより大きく、より良く、そしてしっかり機能しています。あなたのはそうではないようです（まもなく私の友人になる北朝鮮の金正恩によると！）」
陣営は「HAHAHA！大丈夫ですか？」「デサンティスを応援しよう」「デサンティスをトランプ大統領の首席補佐官に！」などと投稿し、デサンティス氏を激しく嘲笑した。
共和党有権者は来年の予備選でバイデン氏と闘う候補を選ぶことになる。なお、バイデン氏が民主党の予備選で勝つかどうかは不明である。
AP通信によると、デサンティス陣営は先月末の時点で選挙資金8800万ドルを残している。これはフロリダ州知事選で集めたものであり、大統領選に回すことができる。
一方、トランプ陣営は2023年第1四半期（1～3月）に1880万ドルの寄付を集めた。
APは関係者の話しとして、「デサンティス陣営は少なくとも全米18州で選挙事務所の採用活動を開始している」と報じた。
