◎連邦捜査局(FBI)はこのアプリを運営する中国のバイトダンス(字節跳動)が共産党とデータを共有する恐れがあると警告している。
米モンタナ州下院は14日、中国のソーシャルメディアアプリ「ティックトック(TikTok)」の使用を禁じる法案を可決した。
ティックトックの使用を禁じる州法が議会を通過したのは初めて。対象は州政府が管理するデバイスのみ。
連邦捜査局(FBI)はこのアプリを運営する中国のバイトダンス(字節跳動)が共産党とデータを共有する恐れがあると警告している。
州議会は賛成54ー反対43で法案を可決した。州知事が署名すれば成立する。
同州を含む約半数の州と連邦政府がティックトックの使用禁止を支持している。
ジアンフォルテ(Greg Gianforte、共和党)州知事は14日、法案に署名するかどうかは明言しなかった。州知事室は声明で、「知事は法案を慎重に検討する」と表明した。
ジアンフォルテ氏は昨年、州政府のデバイスでのティックトックダウンロードを禁じるよう提案。このアプリが州の機密情報を吸い上げる可能性があると警告した。
バイトダンスは14日、この法案を「検閲」と批判し、成立すれば法的措置を取ると約束した。
同社の広報担当は声明で、「憲法修正第1条を脅かそうとするひどい試みを阻止するために戦い続ける」と述べている。修正第1条は1791年に採択され、表現の自由、報道の自由、平和的に集会する権利などを妨げる法律の施行を禁じている。
バイトダンスはユーザーの個人情報を中国共産党と共有する恐れがあるとして、厳しい監視の目を向けられてきた。
中央情報局(CIA)、FBI、民主党と共和党の多くの議員がこのアプリに懸念を表明しているが、情報が悪用されたという証拠は提示していない。
禁止令を支持する人々は中国の法律が国内企業に対し、国家の諜報活動に協力するよう強制していることに問題があると指摘している。
バイトダンスは昨年末、同社のリーク情報をまとめたジャーナリスト2人のIPアドレスにアクセスしようとした社員4人を解雇したと明らかにした。
連邦議会はティックトックを含むハイテクSNSプラットフォームにおける外国の脅威を制限する、より広範は権限を商務省に与える法案を検討している。
ホワイトハウスはこの法案を支持しているが、プライバシー擁護派や一部の右派議員は文言が拡大解釈され、米企業にも影響が出る可能性があると懸念を示している。
モンタナ州の司法長官室は14日、ツイッターに投稿した声明で「この法案は市民のプライバシーを保護する重要なステップである」と述べる一方、法廷闘争が迫っていることも認めた。