◎マチャド氏は10月22日、バイデン政権が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。
ベネズエラ、首都カラカス、大統領予備選で勝利したマチャド氏(Ariana Cubillos/AP通信)

米政府は15日、ベネズエラ初の女性大統領を目指すマチャド(María Corina Machado)元議員を全面的に支持し、来年の大統領選に出馬できると表明した。

ベネズエラ問題を担当する国務省の担当官らはX(旧ツイッター)に声明を数件投稿。マチャド氏の勇気と意思を称賛し、2024大統領選への期待と希望を表明した。

一方、マチャド氏は15日午後、首都カラカスの裁判所前で記者団の取材に応じ、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が6月に発表した大統領選出馬禁止命令の通知を受けていないため、裁判を起こすつもりはなく、「大統領選を楽しみにしている」と表明した。

マチャド氏は米当局者の援護射撃に謝意を表明したうえで、「私はマチャド政権から何の通知も受けておらず、訴訟を起こすつもりはない」と強調した。

またマチャド氏は「大統領選に出馬できるかどうかを決めるのは有権者である」と述べ、マドゥロ氏をけん制した。

マチャド氏は10月22日、バイデン政権が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。

国営メディアは予備選の投票数を100万票程度と予想していたが、全国の投票所には土砂降りにもかかわらず数万人が何時間も列を作った。野党選管は約240万人が一票を投じたと報告している。

マチャド氏の勝利から数日後、マドゥロ氏の支配下にある検察当局は予備選の関係者が有権者の個人情報を盗んだり、資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した疑いがあると主張。野党候補の大統領選出馬を妨害する可能性が出てきた。

予備選前、マドゥロ政権と米国の支援を受ける野党は2024年後半に大統領選を実施することなどで合意。この合意により、バイデン政権はベネズエラの石油・ガス・鉱業部門に対する制裁を一部緩和した。

米政府はマドゥロ政権が合意を履行しなかったり、野党候補を弾圧した場合、経済制裁を再開すると警告している。

ベネズエラの経済はマドゥロ氏の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民800万人近くが国外に流出したと推定されている。

GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下。2021年のGDP(推定値)は10年前の2割以下に落ち込んだ。

西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。

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