◎最高裁は判決の中で、「規則はバイデン政権の権限を超えている」と述べた。
2022年1月13日/ワシントンD.C.ホワイトハウスのアイゼンハワー行政府ビル、ジョー・バイデン大統領(Getty Images/AFP通信)

1月13日、米最高裁判所は従業員100人以上の民間企業にコロナワクチンの接種または毎週のPCR検査とマスク着用を求めるバイデン政権の規則を取り消した。

最高裁は判決の中で、「規則はバイデン政権の権限を超えている」と述べた。

この判決とは別に、最高裁は、コロナ患者の治療にあたっている国内の医療従事者を対象とするワクチン接種義務規則は支持した。

労働安全衛生局の推定によると、この規則は半年で入院患者を25万人、死者を6,500人抑制する効果が期待されていたという。ジョー・バイデン大統領は昨年11月に規則を導入した。

バイデン大統領は13日、最高裁の決定に失望を表明したが、主要な民間企業と共にコロナワクチンの接種を呼びかけ続けると誓った。

一方、ドナルド・トランプ前大統領は最高裁を称賛し、「ワクチン義務化は経済をさらに破壊しただろう」と述べ、バイデン大統領を非難した。「最高裁が後退しなかったことを誇りに思います。義務はありません!」

連邦政府の職員はワクチンを接種するか、毎週自費でPCR検査を受け陰性を証明することを義務付けられている。

ABCニュースによると、民間企業向けのワクチン規則は約8,400万人の労働者に影響を与えたという。一部の積極的な大企業はワクチン未接種者の解雇手続きを開始している。

最高裁は6-3で規則の停止を認め、「規則は膨大な数の労働者の生活と健康の権利を侵害している」と裁定した。

一方、医療従事者のワクチン義務化については5ー4で原告の訴えを退けた。なお、医療従事者向けの規則は合衆国憲法で定められた保健福祉長官の権限にしっかり適合している。

最高裁のリベラル派3人はワクチン義務化の阻止に反対し、「規則を阻止すればコロナウイルスと戦う米国と労働者に比類のないダメージを与え、連邦政府の能力も著しく損なわれる」と主張した。

保守派の中でも穏健派と見なされているジョン・ロバーツ最高裁長官とブレット・カバノー判事は医療従事者向けの規則についてはリベラル派の主張を認めた。

疾病予防管理センター(CDC)によると、直近1週間の新規陽性は1日あたり約80万件、全米の入院患者数は昨年1月のピークを超えた。ワクチン完全接種率はようやく人口の62%を超えたところである。

グーグルやIBMを含む一部の優秀な民間企業はバイデン大統領の規則に関係なくコロナワクチンを支持しており、金融大手のシティグループは先週、未接種者を解雇すると発表した。ユナイテッド航空も未接種の従業員200人以上の解雇手続きを開始し、スターバックスはバイデン大統領の規則をそのまま採用すると発表した。

しかし、民主党の政策に異議を唱える全米独立企業連盟は、「ワクチン規則は中小企業に新たなコンプライアンス費用を負担させ、時間を無駄に浪費させ、収益に影響を与える」と非難した。

連盟の法務部門を代表するカレン・ハーネッド常務取締役は13日の声明で最高裁の決定を称賛した。「本日の決定は事業を軌道に乗せようとしている中小企業を救済するでしょう...」

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