トランプ大統領が「別れの挨拶動画」を発出、40万人の死には触れず

2021年1月20日 2021年1月21日 4分58秒

1月19日、卓越したリーダーシップでアメリカを牽引してきたドナルド・トランプ大統領は別れの挨拶の中で、「私たちはやった、私たちは素晴らしい成果を残しました」と述べた。

トランプ大統領は4年間を振り返り、「厳しい戦い...最も困難な戦い...私はあなたたちに選ばれ、成果を上げました」と自画自賛した。

トランプ大統領は1月20日早朝にホワイトハウスを離れる予定である。なお、大統領就任式には出席せず、アンドリュース空軍基地で送別会を開催すると伝えられている。

同日、トランプ大統領はラッパーのリル・ウェインとコダック・ブラック、元デトロイト市長のクウェイム・キルパトリックに恩赦を与えた。

ABCニュースによると、トランプ大統領は退任までに元顧問のスティーブ・バノンを含む数十名に恩赦と減刑を与える予定だという。

トランプ大統領は声明の中で次のように述べた。

ドナルド・トランプ大統領：
「アメリカの大統領を務めたことは何より名誉なことでした。この特別な特権に感謝します」

「私は以前の生活を捨てて、非常に困難な世界に足を踏み入れました。アメリカは私にたくさんのことを与えてくれたので、恩返ししたいと思いました。この国の何百万人もの勤勉な愛国者と一緒に、私たちはアメリカの歴史の中で最大の政治運動を構築しました」

「私たちは議会議事堂への攻撃に恐怖を感じました。政治的暴力は私たちが大切にしているすべてのものへの攻撃です。それは決して容認できません。決して許されないでしょう」

トランプ大統領は1月6日の暴動を扇動した罪でまもなく上院弾劾裁判にかけられる予定である。

トランプ大統領は4年間の成果を自画自賛したうえで、「アメリカンドリームを復活させ、世界史上最大の経済を構築し、世界的な同盟を復活させ、米軍を再建した」と主張した。

ドナルド・トランプ大統領：
「私は新しい戦争を始めていない数十年で最初の大統領になったことを特に誇りに思っています」

「私は批判が最も少ない道を模索していませんでした。私はあなたたちの期待に応えるために、厳しい戦い、最も難しい戦い、最も難しい選択をしました」

「私が各地に移動した時は、いつでも何千人もの人々が待っていました。彼らは家族と一緒に私に手とアメリカの偉大な国旗を振ってくれました」

「1月20日の正午、新政権が誕生します...ありがとう、神はあなたを祝福します。神はアメリカ合衆国を祝福します」

トランプ大統領は40万人以上の市民がコロナウイルスで死亡したことについては言及しなかった。

一方、ワシントンD.C.に到着したジョー・バイデン氏は、40万以上の死を悼み、最前線で戦う医療関係者に賛辞を贈った。

19日の日没時、亡くなった市民を称えるために、ワシントンD.C.リンカーン記念館前に設置された400個のライトが点灯した。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、トランプ大統領が牽引してきた超大国アメリカのコロナ累計感染者数は2,430万件、累計死亡者は40万人を超えた。

トランプ大統領の言う通り、アメリカの株式市場はパンデミックから力強く回復した。しかし、他の経済は厳しい現実に直面しており、失業率は改善されず、小売売上高はここ数カ月で大きく減少している。

トランプ大統領は支持率34％でホワイトハウスを去る。これは歴代最低記録である。

1月20日の就任式は過去に類を見ないものになる。1月6日の暴動後、議会議事堂周辺には2万人以上の州兵が配備され、ホワイトハウスの周囲には侵入防止対策を施した高いフェンスが設置された。

【世界の感染状況／2021年1月19日時点】