◎連邦捜査局(FBI)はバイトダンスが中国共産党とデータを共有する恐れがあると何度も警告を発してきた。
TikTokのロゴと星条旗(Getty Images)

中国のソーシャルメディアアプリ「ティックトック(TikTok)」を運営するバイトダンス(字節跳動)は20日、米国内で来年1月から同アプリの使用を禁止する法律を取り消すよう裁判所に求めた。

ナイトダンスはコロンビア特別区(ワシントンD.C.)の裁判所に提出した書簡の中で、「米政府は2022年以降、真剣な和解交渉を拒絶している」と非難した。

バイデン(Joe Biden)大統領が今年4月に署名した法律により、バイトダンスは来年1月までにティックトックの米国資産を売却しなければ、米国内でアプリを運用できなくなる。

米国のティックトックユーザーは約1億7000万人と推定されている。

バイトダンスによると、バイデン政権が求める売却は技術的、商業的、法的にも不可能だという。

連邦捜査局(FBI)はバイトダンスが中国共産党とデータを共有する恐れがあると何度も警告を発してきた。

バイトダンスは書簡の中で、22年8月に米規制当局が突然交渉を打ち切ったと主張した。

また同社は米国のユーザーデータを保護するための100ページを超える国家安全保障協定草案の編集版も公開。この取り組みに20億ドル以上を費やしたと述べた。

この草案には同社が協定に従わない場合、独断でアプリを停止できる「キルスイッチ」を米政府に与えることが含まれている。また米国はティックトックのソースコードを中国本社から米国内に移すよう要求したとされる。

米主要メディアが報じたティックトックの弁護士が司法省に宛てた電子メールには次のように書かれていた。「バイデン政権は強制力のある合意を通じて米国ユーザーを保護するための、現実的、実現可能かつ効果的な解決策に取り組むことよりも、アプリを禁じ、1億7000万人のユーザの言論の自由を侵害することを好んでいるように見える...」

報道によると、司法省はこのメールに関する質問に応じなかった。

同省は先月、ティックトック禁止法について、「憲法修正第1条およびその他の憲法上の制限と矛盾しない方法で、国家安全保障上の重大な懸念に対処するものである」と擁護した。

コロンビア特別区の裁判所はバイトダンスと米ユーザーが起こした訴訟について、9月16日に口頭弁論を行う予定である。

米国におけるティックトックの未来はこの裁判で決まるかもしれない。

この裁判は米国内における他の外国アプリの運用にも影響を与える可能性がある。

ティックトックは訴訟の中で、「この法律は開かれたインターネットを擁護してきたこの国の伝統から根本的に逸脱し、政治家が言論プラットフォームを標的にし、販売や閉鎖を強制することを可能にする危険な前例となる」と主張している。

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