◎被害者の多くは米国の高齢者で、医師、教授、歯科医、軍関係者、ビジネスマンなどであった。
サイバー犯罪のイメージ図(Getty Images)

タイ警察は22日、米国の高齢者を騙して現金を送金させ、8700万ドル(約115億円)以上の利益を得たとされる詐欺集団を摘発した。

警察当局によると、捜査は4つの県で同時に行われ、162の銀行口座、携帯電話61台、車2台、銃1丁、複数の不動産物件を押収し、21人を逮捕したという。

米連邦捜査局(FBI)も家宅捜索に参加した。

警察はインド人5人とタイ人15人を逮捕したとしている。残り1人の国籍は明らかにしていない。

詐欺集団は国際犯罪への関与、詐欺、サイバー犯罪、資金洗浄(マネーロンダリング)、共謀罪などに問われるという。

タイ警察は声明で、「詐欺師たちは米国の高齢者に自分はマネーロンダリングの犯罪捜査を行っている法執行機関に所属していると述べ、現金を騙し取っていた」と説明した。

それによると、容疑者たちは被害者に「あなたの預金の一部は洗浄されたものであり、今すぐ送金しなければ逮捕される可能性がある」と告げ、指定した口座に現金を振り込ませていたという。

この類の詐欺は一般的だが、警察によると、被害者のコンピュータがハッキングされたケースもあったという。

被害者の多くは米国の高齢者で、医師、教授、歯科医、軍関係者、ビジネスマンなどであった。

タイ警察の捜査官が詐欺集団の資金の流れなどを追跡したところ、首都バンコクの南東約125kmに位置するチョンブリ県などに拠点があることが分かった。

警察によると、この集団はインド人が率いており、タイ、カンボジア、シンガポール、マレーシア、香港、UAE(アラブ首長国連邦)、ペルー、ポーランドに資産を隠していたという。

警察は声明の中で「FBIと米シークレットサービスから詐欺集団の情報を受けた」と述べている。それによると、米国内では2020~21年にかけて約7万2000件、8700万ドル以上の被害が報告されたという。

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