ソーシャルメディア依存症に対抗、反ドゥームスクロール
これらの「反ドゥームスクロール」系のクリエイターは、自らの投稿を通じて視聴者にスクリーンタイムの管理やアプリから離れることを促し、依存的な利用習慣の是正を図っている。
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ソーシャルメディアの過剰な利用や「ドゥームスクロール(悪いニュースを延々と追う行為)」に対抗する新たな動きとして、反スクロールを呼びかけるインフルエンサーの台頭が注目されている。これらの「反ドゥームスクロール」系のクリエイターは、自らの投稿を通じて視聴者にスクリーンタイムの管理やアプリから離れることを促し、依存的な利用習慣の是正を図っている。
代表的な人物の1人がオンラインで「Olivia Unplugged」として知られるオリビア・ヨクボニスさんである。ヨクボニスさんはTikTokやInstagramなどのフィード上に現れ、視聴者が気づかないうちに何十分もスクロールしている現状を穏やかに指摘し、利用時間の自覚を促す動画を投稿している。彼女は科学的な調査やデータに基づいた内容を用い、画面から離れることを提案しており、多くの視聴者がこの“割り込み”を歓迎しているという。
ヨクボニスさんはスクリーンタイム管理アプリ「Opal」に関わっているが、投稿にはほとんどブランドの宣伝や広告が含まれておらず、視聴者には純粋に助言として受け取られているという。彼女は「人々は人の声を聞きたいのだ」と述べ、プラットフォーム内で注意喚起を行う難しさについても語っている。
同様に「CatGPT」の名で知られるキャット・ゴーツさんも、テクノロジー業界の経験を踏まえて画面時間の削減に関するコンテンツを発信している。ゴーツさんはソーシャルメディアの設計が利用者の関心を引きつける仕組みになっていると指摘し、「プラットフォームはユーザーの滞在時間を延ばすことだけを目的としている」と述べた。この背景には、利用者が自分の行動を十分にコントロールできていないという認識がある。
専門家の間でも「ソーシャルメディア依存」の実態をどう捉えるかについて議論が続いている。オーストラリア・メルボルン大学の研究では、多くの人が自分のスクリーンタイムを正確に認識していないことが示されているという。実際に自分の利用時間を見せると「ショック状態」に陥り、自主的に使用を減らすケースもあるという。
一方で、カリフォルニア工科大学の研究員は、こうした介入が実際に習慣を変える力を持つかについては慎重な見方を示している。強いスクロール習慣を持つユーザーが、注意喚起の動画をしっかりと認識し、行動を変えるかどうかはわからないと指摘している。
また専門家の間では、ソーシャルメディア利用を「依存」とみなすかどうかについて意見が分かれている。重度の利用が依存症と呼べるか否かについては、強い衝動や離脱症状の有無など一定の基準が必要であり、学術的には議論が続いている。
対策としては、通知をオフにする、アプリ位置を変更する、就寝時にスマートフォンを持ち込まないなど、利用環境の見直しが提案される。また、インフルエンサーがフィードに介入し注意を促す試みも、内側から習慣改善を促す新たなアプローチとして関心を集めている。
