SHARE:

米国2025年最終週の失業給付申請わずかに増加=労働省

新規申請の4週間平均は、先週比7250件減の21万1750件となり、短期的な変動を平滑化した数値でも低水準を維持した。
米ニューヨーク市マンハッタン(Getty Images)

労働省が8日に公表したデータによると、2025年最終週(1月3日までの週)における米国の新規失業保険申請件数は前週比8000件増の20万8000件となり、やや増加したものの依然として低水準を維持していることが分かった。労働省はこの数字が、企業の解雇動向を示すリアルタイムの指標として注目されると指摘している。

この週の申請件数は、金融データ会社FactSetが調査したエコノミストの予想とほぼ一致し、労働市場の基調が依然として堅調であることを裏付けた。ただし、週ごとの増減がある中で、労働市場には弱さの兆候も見られるとの指摘もある。

新規申請の4週間平均は、先週比7250件減の21万1750件となり、短期的な変動を平滑化した数値でも低水準を維持した。これは、企業が大規模な人員削減には踏み切っていないことを示す一方で、採用活動の鈍化などを反映している可能性がある。

また、前週(12月27日までの週)に申請された失業保険の継続受給者数は大幅に増加し、191万人となった。これは前週比で5万6000人増加で、労働市場の動向を理解する上で重要な指標となっている。継続受給者数の増加は、一度失業した労働者が再就職に時間を要している可能性を示唆しており、労働市場が必ずしも全ての層で強いわけではないことを示すものと分析されている。

今回の申請件数の増加は小幅であり、依然として過去数年間の平均と比べて低水準にとどまっている。これにより、多くの企業が大規模な解雇を避け、必要に応じて人員を補充する「low hire, low fire(低採用・低解雇)」の傾向が続いているとの見方が出ている。一方で、経済全体の伸び悩みやインフレ圧力、金利環境の変化などが企業の採用意欲に影響を与えており、強い雇用市場の維持が今後の課題となる可能性がある。

こうした状況を受けて、労働市場の動きを注視するエコノミストの間では、失業保険申請件数の増減だけでなく、賃金の伸びや労働参加率、求人倍率など複数の指標を総合的に分析する必要性が指摘されている。特に、申請件数が歴史的に低い状況が続く一方で、一部の業種や地域では人手不足が深刻化しているとの報告もあり、雇用の質や労働環境の変化を捉えることが求められている。

総じて、2025年末の米国労働市場は、表面的な指標では安定しているものの、内部には弱さや構造的な変化が潜在している可能性がある。今後の経済指標や企業の動向、政策対応の行方が注目される。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします