◎ロシアとイランの関係はロシア軍がウクライナ侵攻でイラン製自爆ドローンを使用したことで注目を集めるようになった。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)報道官は9日、ロシアとイランが本格的な防衛パートナーシップを構築しつつあるという見方を示した。
カービー氏は記者団に対し、「ロシアはイランに前例のないレベルの軍事支援を行っている」と語った。
またカービー氏は情報機関の報告を引用し、「両国は殺傷力のある無人機の共同開発を検討している」と明らかにした。
ロシアとイランの関係はロシア軍がウクライナ侵攻でイラン製自爆ドローンを使用したことで注目を集めるようになった。
イランは当初、ロシアへの無人機供与を否定したが、その後、ウクライナ侵攻前に数機供与したと主張した。
カービー氏はイランとロシアの無人機共同開発について、「国際社会の脅威であり、有害」と指摘した。
またカービー氏は両国が武器開発や訓練などの分野で協力を深めていることについて、「米国はロシアがヘリコプターや防空システムなどの高度な軍事部品をイランに供与する可能性が高いと想定している」と強調した。
一部の専門家は、「イランはロシアの核開発技術を頼りにしている可能性が高い」と指摘している。
英外務省も9日、イランがウクライナ侵攻におけるロシアの主要な支援国家になっていることに言及し、「両国の関係強化は世界の安全保障を脅かす」と警告した。
また同省は、「イランは卑劣な取引で何百機ものドローンをロシアに送っている」と非難した。
イランに対するロシアの軍事・技術支援は中東の安全保障に影響を与える可能性がある。
イランの宿敵イスラエルはイラン核合意を含む西側とイランの関係改善に警鐘を鳴らし、厳しい経済制裁で核開発を阻止するよう求めている。
英外務省は声明の中で、「ロシアはウクライナ侵攻に必要な弾道ミサイルの入手に躍起になっており、イランに対する軍事支援は今後数カ月で拡大する可能性が高い」と述べている。
ロシア軍は10月の大規模空爆でイラン製自爆ドローンを多用したと報告されている。この攻撃で民間人少なくとも8人が死亡、数十人が負傷した。
イランはロシアにドローン数機を供与したと主張しているが、ウクライナ軍は1日約10機のイラン製ドローンを撃墜していると報告している。